篠原涼子、わが子に手紙 仕事と子育てを両立させる秘訣
女優の篠原涼子が、話題のブログを映画化した『今日も嫌がらせ弁当』(6月28日公開)で、2人の娘を育てるシングルマザー役で主演を務めた。実生活でも2児の母親であり、子育ての大変さも喜びも日々体験している篠原が、演じた役に自身を重ねつつ、「何事もポジティブに考えるようにしている」と女優として、母としての思いを語った。
【動画】ユニークなキャラ弁がたくさん!『今日も嫌がらせ弁当』予告編
原作は月間約350万アクセスを誇り、Amebaブログでデイリー総合ランキング1位(2015年2月12日時点)に輝いた人気ブログを書籍化した同名エッセイ。雄大な自然の中、のどかな空気が流れる八丈島を舞台に、シングルマザーのかおり(篠原)が、反抗期真っただ中で口もきかない次女・双葉(芳根京子)に対抗すべく、双葉の高校入学から卒業までの3年間、メッセージ入りのキャラ弁作りに奮闘する。
本作で篠原が演じたヒロイン、かおりは、子供たちのために毎日朝から夜中まで働きながら、いつも明るい笑顔を見せるパワフルな女性。かおりと同様、仕事に行くときに、幼い子供が泣いたり、発熱してしまったりという日常を乗り越えてきた篠原も、「そばにいてあげたいのに、それができなかったときは、寂しい思いをさせちゃったかなという切なさはあります。でも、そういうこともきっと、いいことに変わるような気がするので、わたしもかおりさんを見習っていきたい」とポジティブだ。
仕事や家事で忙しい毎日の中、子供とのコミュニケーションをどのように充実させていくかは、世の親たちの重大なテーマ。映画の中で、かおりのキャラ弁作りは親が子供に想いを伝える手段として描かれていたが、もう一つ、子供が幼い頃の回想シーンには“手紙”が出てくる。くしくも篠原自身、以前から「ゆっくり話す時間が取れないときは、子供たちに手紙を書いている」とのこと。
「先日、長男の散らかった勉強机を一緒に片づけているときに、わたしが『これ捨てていい?』って聞きながら、ある紙の束を持ち上げたら『あっ、これはダメ! ママの手紙だから』と言われて。その瞬間、思わずジーンとして、それまでは怒っていたのに一気に優しくなっちゃいました(笑)」
ここ数年、月9「民衆の敵 ~世の中、おかしくないですか!?~」(2017・フジテレビ系)や映画『人魚の眠る家』といった主演作でも母親役が板についてきた篠原。一言で母親役といっても、作品ごとに多彩なキャラクターを豊かな表現力で演じ分けているが、「やっぱりこの年齢になって、子供を育てたり、いろんな人たちとか関わったり、さまざまな経験をさせてもらうことによって、女優として演じる上での意識が変わった部分はありますね。今だから、こういう作品に出会えて、今の自分だからこそ、こういう表現をするんだろうなと」。そう気づいたことで「これからまた自分自身も変わるのかなという楽しみもありますし、変わりたいという思いもあります」と先を見据える。
子育てに悩み、時には女友達に弱音を吐き、いつも本音で生きる本作のかおりは、リアルかつポップな母親像を誕生させた。篠原が仕事と子育てを両立させていく上で心がけているのは「どんなときも心から楽しむ」ことだ。「仕事も、家のことも、幸せなことだと思うんです。両方同じにはならないかもしれないけれど、常に自分自身が楽しんで、生きがいを感じながらやっていたい。それがうまくいくための秘訣なのかなと思うので、そういう自分でいたいですね」。多くの女性の共感を呼ぶ女優は、今また新たなステージを迎えている。(取材・文:石塚圭子)