園子温、心筋梗塞から復活!Netflix新作も園ワールド全開
『冷たい熱帯魚』『ヒミズ』などで知られる園子温監督が手掛けたNetflixオリジナル映画『愛なき森で叫べ』のトークショーが、25日に東京・日本橋で行われ、園監督をはじめ、椎名桔平、満島真之介、でんでん、武藤大司プロデューサーが新作について語った。
園監督が過去に手掛けた『冷たい熱帯魚』『恋の罪』と同じく、猟奇的殺人事件に触発された本作。快活で好ましい人物だが、人を精神的に支配する冷酷な先天的犯罪者・村田丈(椎名)や彼を取り巻く人物を通して、人間の深淵を描き出す。
プロデューサーの武藤から、とある事件をもとに作品を作ってほしいと打診を受けたという園監督は、「実際の事件をそのまま再現するのではなく、それをどう自分がアレンジできるのか。独自の物語を作れるならと思い、(製作に)取り掛かりました」と企画の始まりを明かす。本作では、園監督が過去作で描いたキャラクターが登場するとのことで、監督も「実際に起きた事件の中に、自分の今までのキャラクターが入って、事件をどのように動かしていくのか。そういうことにも興味があったんです」と説明した。
主演の椎名は、『新宿スワンII』(2017)以来2年ぶりに園監督とタッグを組む。「今回、どんな感じの作品なのかは二の次だった」という椎名は、「なんでもやろうと覚悟して現場に入りましたが、それ以上のことをやりましたね(笑)」と本作での苦労を明かす。
『ヒミズ』や『冷たい熱帯魚』など園監督と幾度もタッグを組んだでんでんは、村田に籠絡される娘を通じて事件に絡んでいく父親を演じる。撮影現場では常にリアリティーを求められたというでんでんは、撮影で村田役の椎名から本気でビンタを受けたことを告白。「(叩かれた部分は)真っ赤に腫れたんです。でも叩いている最中のシーンは全カットでした」と笑いながら振り返った。
また園監督は、今年2月に心筋梗塞で倒れたことにも言及。「一回死んで蘇ってきました。全ての原因は本作でのストレスといっても過言ではない。ものすごい編集量と、時間がかかりました。Netflixに慰謝料でも請求しようかと思います(笑)」とブラックジョークで会場を笑わせた。(編集部・倉本拓弥)
Netflixオリジナル映画『愛なき森で叫べ』は2019年秋、全世界独占配信