古舘佑太郎、銀杏BOYZへのあふれる愛
ミュージシャン、俳優の古舘佑太郎が28日、タワーレコード渋谷で行われた映画『いちごの唄』(7月5日公開)公開直前スペシャルイベントに登壇。古舘は、銀杏BOYZ書き下ろしの主題歌「いちごの唄」を、映画にも出演している峯田和伸とともにアコースティック・ギターで生披露した。10代のころから銀杏BOYZのファンだったという古舘は、演奏後「今はフワフワしていて、この気持ち、言葉になりません」と感激しきりだった。イベントには古舘とダブル主演を務める石橋静河も登壇した。
本作は、NHK連続テレビ小説「ひよっこ」などで知られる脚本家・岡田惠和と、銀杏BOYZ・峯田が手掛けた小説を映画化する青春ラブストーリー。古舘は親友を亡くしてしまう主人公・笹沢コウタに、石橋はコウタが女神とあこがれていたクラスメイトの天野千日に。峯田はらーめん屋のおじさんにふんする。
イベントで古舘は、銀杏BOYZへの思いを「最初に聴いたとき衝撃を受けて、まさか何年後かに自分が銀杏BOYZの世界観の中に(俳優として)立てるなんて、10代の自分が知ったら、本当にびっくりするだろうな」と熱弁。映画では、千日を思うコウタが、銀杏BOYZの楽曲「ぽあだむ」を聴きながら環七を走るシーンなどもある。
だがその思いの強さゆえに、撮影では戸惑いもあったという。「自分がずっと好きな銀杏BOYZと、みんなが思う銀杏BOYZってどうなんだろうと、撮り始めて思うようになって。何かを得るために銀杏BOYZを聴くみたいな、『研究』みたいな聴き方になって、こんなの音楽の聴き方じゃないって悩みました」と吐露すると、峯田のある言葉が突破口になったことを明かした。「でも峯田さんが『銀杏に意識を寄せ過ぎても意味がない。何も気にせず演じてほしい』と言ってくださって、スッと気持ちに整理がついたんです」
一方、書き下ろしの主題歌「いちごの唄」について聞かれた峯田は、その狙いを「主題歌だから映像と合っていなきゃいけないけど、でも反対に、映画に寄り過ぎず、1つの音楽としても存在するというか、映画と音楽がギューみたいな……」と独特の表現で説明。「古舘くんが走るシーンをイメージして、疾走感ある曲にできました」と満足そうな表情を見せていた。
銀杏BOYZの楽曲が物語を動かす本作だが、峯田は「過去に救われた曲は?」とMCから問われると、RCサクセションの「スローバラード」と回答。「レコーディングに行き詰まり、途中で帰ったことがあるんだけど、タクシーのラジオでかかった曲。運転手さんに『もっとボリュームを上げてくれ』ってお願いして、すごいボリュームで聴いた。環七の景色がすごく綺麗に見えて、明日も腐らないで(レコーディングを)やってみようかなって思えた」と思い出深いエピソードを披露した。(取材・文/岸田智)