早乙女太一『プロメア』応援上映に興味津々
ロングランヒット中の映画『プロメア』の大ヒット記念ゲキ×シネ×プロメア一夜のチャンピオン祭が5日、新宿バルト9で行われ、同作で声優を務めた俳優の早乙女太一が来場。早乙女は、脚本家の中島かずきが熱弁する“応援上映”に興味津々な様子だった。
『天元突破グレンラガン』シリーズや、アニメ「キルラキル」の今石洋之監督と脚本の中島が再タッグを組んだ長編アニメーションとなる本作。今年の5月24日に初日を迎え、数多くのリピーターを獲得。現在は興行収入約9億5,000万円まで数字を伸ばしており、興収10億円突破まで間近となっている。
「最初は入らなくて、コケたなと思っていたんです」と語る中島は、『プロメア』の主要キャラクターであるリオ(早乙女)とクレイ(堺雅人)のオファーは「蛮幽鬼」での演技が念頭にあったということを踏まえて、「でも集まった皆さんの情熱で数字が伸びてきた。そういうのを見ていて、堺くん、太一くんが出ている過去の劇団☆新感線の作品と一気に観られる企画があったらと思ってできないかと聞いたら、けっこう腰の重い新感線がピュッと動いてくれて。さっき、新感線の本番を終えた太一くんがここまで来てくれた」と笑顔を見せた。
早乙女が劇団☆新感線の舞台に初めて立ったのは2009年の「蛮幽鬼」だった。「13歳の頃に初めて『髑髏城の七人』を観て。まさか自分が出られるようになるなんてみじんにも思っていなくて。出られることに感動してたし、信じられなかった。当時はお芝居に苦手意識があって怖かったけど、とにかく剣で頑張ろうとひたすら練習しました」と振り返る早乙女は、「子どもの頃に感動した舞台に、自分が立つ方になって。若い人に観てもらいたいと思うようになった。『プロメア』もそうですけど、かずきさんの本はまっすぐな熱さ、バカバカしさとカッコ良さが軸になっていて。そういうのが大好きだったから、できるのがうれしくて。もっと男の子にも若い人にも観てほしい」と力説する。
一方の中島は、そんな早乙女の魅力について「やっぱり何かを背負わせたら日本一なんですよ」という。「『プロメア』でもバーニッシュ(突然変異で誕生した炎を操る人種)という一族を率いる男リオだし。何かそういう悲劇を背負わせるとうまいんで、つい背負わせたくなるんですよね」と語る。
本作はこれまで幾度となく応援上映が行われてきた。川崎チネチッタで行われた応援上映に参加したという中島は非常に感激した様子で、「お客さんが『クレイ・フォーサイト!』と叫ぶの。口に出したら気持ちがいいセリフを言うなぁと。皆さんよく覚えているんですよね。これだけこの作品を愛していて。自分のものにしているのを目の当たりにすると、こっちが元気をもらえるんです。作った身として感謝ですよ」と力説。それを聞いた早乙女も「俺もやりたいな。楽しそう。堺さんのセリフとかも言いたくなるんですよね」とワクワクした顔を見せる。
11月には、早乙女が二代目座長を務める劇団朱雀の復活公演が行われる。日替わり芝居の脚本には、中島の参加も予定されている。「これも火消しと泥棒の話になります。こんな手癖だけで書いていいのかと思いましたけど、あなたからのリクエストですからね」と中島が明かすと、会場から大きな歓声がわき起こった。(取材・文:壬生智裕)
映画『プロメア』は公開中