渡辺謙、コメディー特番に全力投球「コンプライアンスと戦った」
俳優の渡辺謙が7日、都内で行われたコメディー特番「君は天才!~渡辺謙がコメディーに挑戦!~」の記者会見に出席。企画から携わり、「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!」の年末特番「絶対に笑ってはいけない」シリーズの罰ゲーム“ケツバット”に対抗するかのように、顔中に次々と洗濯バサミをつけられるなど、体を張って挑んだ渡辺。自信満々と思いきや、その胸中は穏やかではなかった。
本作は、コント、パロディー、ダンスシーンなど、様々な要素が詰まったコメディー番組。広告代理店の営業部長・五十風(いそかぜ/渡辺)が、部下やクライアント、ライバル会社、CM出演俳優などを相手に、フィクションと現実が入り交じったかのような人間喜劇を繰り広げる。
「これほどNHKのコンプライアンスと戦った作品は初めて」と語る渡辺は、「今まで素晴らしい作品をたくさんやらせてもらいましたし、自信をもってNHKの玄関をくぐってきたつもりですが、今日ほど自信なく、居心地悪い作品で皆さんの前に立つのは心苦しい感じでいっぱいです」と苦笑い。
とはいえ、渡辺は顔を洗濯バサミで挟まれたり、頭から水をかぶるなど、ハードなことにも挑戦している。「某テレビ局の罰ゲームに近いことをやろうかと話していたけど、それだと二番煎じになる。ノーペイン、ノーゲイン(労力なくして得るものなし)だよね」という理由で洗濯バサミに落ち着いたことや、「(頭上に落とすのは)たらいにするか、水にするか、コントの定石はどこにあるんだ? みたいな思いをしました」とスタッフと考え抜いたことを告白。「首に影響が出るくらいの水を用意していただきまして、体を張ってやらせていただきました」と体当たりぶりもうかがわせた。
番組収録は、渡辺主演のミュージカル「王様と私」の開幕2週間前に行われたため、「(王様に)戻れるのかなと心配していました(笑)」と話す渡辺。「1週間余り没頭していたので、この期間だけはセリフの練習ができませんでした。頭の中がとっ散らかっちゃいそうで」と集中して番組に向き合っていたことを明かした。
「上質な大人のエンターテインメント」を目指した本番組。渡辺は、「バラエティーというと芸人さんがひな壇でトークをする番組が多く、それはそれでいいけど、僕ら(役者)が携われるような、ほんわり笑えて、心が豊かになれるような番組ができないかなという思いがあった」と吐露しつつ、「できれば応援していただけたら」と呼び掛けていた。(取材:錦怜那)
「君は天才!~渡辺謙がコメディーに挑戦!~」は、NHK BSプレミアムにて8月10日午後10時~午後11時30分放送(再編集版は、総合テレビにて9月28日午後11時~午後11時49分放送)