舞台「ねじまき鳥クロニクル」主人公は、成河&渡辺大知
村上春樹の同名長編小説を舞台化する「ねじまき鳥クロニクル」の主人公を、成河と渡辺大知の2人が演じることが2日、明らかになった。ダブルキャストではなく、2人で岡田トオルという人間の多面性を表現していくという。また、岡田が出会う不登校の女子高生・笠原メイに、門脇麦がふんする。
原作は、1994年から1995年にかけて刊行され、主人公の主夫・岡田トオルが、失踪した妻を探して繰り広げる奇妙な冒険を、「泥棒かささぎ編」「予言する鳥編」「鳥刺し男編」の3部構成で描く物語。演出、振付、美術を、森山未來が度々組んできたことでも知られるイスラエルのコンテンポラリー・ダンス演出・振付家インバル・ピントが担当。脚本、演出を、気鋭アミール・クリガーと「マームとジプシー」主宰の劇作家・演出家の藤田貴大、音楽を、朝ドラ「あまちゃん」や大河ドラマ「いだてん ~東京オリムピック噺(ばなし)~」の大友良英が手がける。
主人公に決定したのは、北区つかこうへい劇団などを経て舞台俳優として高い評価を受け、『脳内ポイズンベリー』(2015)や『チワワちゃん』(2019)など映画やテレビドラマで活躍する成河。そして、現在「Iターン」(テレビ東京系)と「べしゃり暮らし」(テレビ朝日系)、2本の連続ドラマが放送中のシンガーソングライター、俳優の渡辺大知。
キャストのクレジットには<演じる・歌う・踊る>として、成河、渡辺、門脇のほか、大貫勇輔、徳永えり、松岡広大、成田亜佑美、さとうこうじ、吹越満、銀粉蝶が。<特に踊る>に大宮大奨、加賀谷一肇、川合ロン、笹本龍史、東海林靖志、鈴木美奈子、西山友貴、皆川まゆむが名を連ねる。
成河、渡辺、門脇のコメントは以下の通り。(編集部・石井百合子)
成河(岡田トオル役)
インバルともう一度作品創りをしたい、 特に初演となる作品のクリエイションに参加したいと常々思っていたので、 念願が叶ったという思いです。 そして僕は藤田貴大さんの作品のファンなので、 インバルの世界に彼が脚本・演出として携わることに、 大きな期待と未知への喜びを感じています。 今回の村上春樹さんの原作はとにかく大ボリュームで、 果てしない迷宮。 これはちょっと前人未到の演劇製作になるぞと武者震いをしています。
渡辺大知(岡田トオル役)
壮大な精神世界を描いた「ねじまき鳥クロニクル」の舞台化に、 胸が熱くなっております。 出演させてもらえることを心から光栄に思います。 お話を頂いた時は、 あまりにも衝撃だったので嘘なんじゃないかと不安にもなりましたが、 自分なりにアイディアを出しながら使えるものを全部使って精一杯楽しんでやろうと思っております。 尊敬するスタッフ・キャストの方たちばかりなので、 皆さんと共に、 一筋縄ではいかない今作と闘えることにワクワクしています。 他の舞台作品では観られないものが観られると思うので、 ぜひ楽しみにしていてください!
門脇麦(笠原メイ役)
出演が決まってから心待ちにしていた作品がついに少しずつ動き始めています。 念願の初インバル作品。 初めて彼女の作品を観た時、 その吸引力に圧倒され、 いつかご一緒出来たらなとずっと思い続けてきました。 キャストとスタッフの皆様、 どこを見渡しても胸踊る方々ばかりで、 楽しみ以外の言葉が出てきません。 難解な原作ではありますが皆様と手を取り合い、 果敢に村上ワールドを彷徨いながら、 私たちのねじまき鳥を探せたら良いなと思っております。
「ねじまき鳥クロニクル」は、2020年2月上旬~3月1日、東京芸術劇場プレイハウスにて上演(チケットの一般発売は、2019年11月2日予定)