山口勝平「ONE PIECE」ウソップは自分が持っているものを一番使える
テレビアニメ放送開始20周年のメモリアルイヤーに公開される、『劇場版『ONE PIECE STAMPEDE』』(8月9日公開)。麦わらの一味が誇る狙撃手であり、今作でも重要な役割を果たすウソップの声を担当している声優の山口勝平が、ウソップと自分、そして「ONE PIECE」について語った。
『ONE PIECE FILM GOLD』(2016)以来の劇場版となる本作の舞台は海賊たちが集う祭典・海賊万博。「海賊王(ロジャー)の遺した宝探し」をするために世界中から海賊たちが集結する。最悪の敵・元ロジャー海賊団のダグラス・バレットをはじめ王下七武海など強力なキャラクターが多数登場する作品でのウソップについて山口は「今回のウソップおいしいですね! ルフィのやる気スイッチを押す。ウソップにしかできないことが任されていて嬉しかったです」と笑顔を見せた。
ウソップについて山口は「最近になって思い始めたんですけど、『ONE PIECE』の世界に自分を投影して見たら、みんなウソップになってしまうんです」と口を開く。
「人間は自分自身の弱い部分、人に言えないような自分の嫌な部分を持っていて、ウソップはそういうことに正直に生きている。逃げたい時は逃げるし、できれば戦いたくない、痛い目にあいたくない。ウソップは普通なんです。でもそこでちゃんと踏みとどまるウソップを見て、自分もそうでなきゃいけないなと思えるんです」とルフィやゾロ、サンジなど“強いキャラクター”勢ぞろいする「ONE PIECE」の中でのウソップの特異な立ち位置について説明した。
そんなウソップの声を担当することが決まった時の山口には、少しの戸惑いがあったそう。「正直困ったんです。やったことのないタイプのキャラクターでした。原作も好きで読んでいたんですがウソップだけ声のイメージがわかなかったんです。まさか自分がその役になるとは思っていなかった。実際に決まってから、どうしようかという作業が始まって、最初のうちは色々と試行錯誤していました」
「でも最初にどう作ればいいかわからなかった分、物語が進んでいくにつれていろんな要素を入れられました。自由に演技の幅をいれてウソップというキャラクターを伸ばすことができた。だから今として考えれば自分が持っているものの、いろんな面を一番使えるのはウソップだと思います。とても自由度の高いキャラクターになったと思います」
ルフィ役の田中真弓をはじめ、“麦わらの一味”の声優陣への取材の中で最も名前が登場するなど、ウソップと同様に“麦わらの一味”のムードメーカーとして信頼されている様子の山口。「ONE PIECE」の最後について聞かれると「終わる日のことを考えてしまうと、なんだかたまらなくなってしまうんです。ルフィが『先がわかった冒険ならしたくない』って言っていますけど、それと同じで先のことは考えないというか。あんまり考えないようにしています」と話していた。(編集部・海江田宗)