ロマン・ポランスキー監督の新作に喝采!本人は不在
第76回ベネチア国際映画祭
現地時間30日、『戦場のピアニスト』などのロマン・ポランスキー監督の新作映画『ジャキューズ(原題) / J’ACCUSE』の公式記者会見が第76回ベネチア国際映画祭で行われた。ポランスキー監督は映画祭自体を欠席しているが、会見に参加したキャスト・スタッフには惜しみない拍手が送られた。
実際に起きた冤罪事件を基にした本作は、1890年代のフランスを舞台に、軍の中で対敵情報活動を指揮するジョルジュ・ピカール大佐(ジャン・デュジャルダン)が、様々な障壁に抗いながら真実を追い求める歴史作品。「J’ACCUSE」は作家のエミール・ゾラがこの冤罪事件を告発した公開状「私は弾劾する」が由来で、英題は『アン・オフィサー・アンド・ア・スパイ / An Officer and a Spy』だ。
同作は今回のベネチア映画祭のコンペティション部門に出品されている。性的暴行で逮捕されたことのあるポランスキー監督の映画を受け入れたことを疑問視する声も上がっており、映画祭初日の28日(現地時間)に開かれたオープニング会見では記者たちからポランスキー監督に関する質問が続出。映画祭のディレクターであるアルベルト・バルベラ氏や審査委員長のクレシア・マルテル監督が追及される一幕もあった。
そのような状況の中で実施された記者会見だったが、主演のジャン・デュジャルダンや、本作にも出演しているポランスキー監督の妻で女優のエマニュエル・セニエらが入場すると、満員状態となった記者席からは作品を称賛する万雷の拍手。映画を愛する人たちが集まるベネチア映画祭らしい出迎えに、キャスト・スタッフは満面の笑みを見せていた。(編集部・海江田宗)