シド・ヘイグさん死去 ロブ・ゾンビ、タランティーノ作品でカルト的人気
映画『マーダー・ライド・ショー』でキャプテン・スポールディング役を演じたシド・ヘイグさんが、9月23日(現地時間)に亡くなったことを、彼の妻スジーさんがInstagramで発表した。80歳だった。
【作品写真】映画『デビルズ・リジェクト~マーダー・ライド・ショー2~』
1939年にカリフォルニア州のフレズノで生まれたシドさんは、アルメニア人のコミュニティーで育ち、子供時代にはクリスマスショーのダンサー、ヴォードヴィル(踊り、歌、手品、漫才などを行う舞台)のリバイバルショーに出演。青年期には、両親に買ってもらったドラムで、さまざまなジャンルの音楽を習い、T-Birdsと組んだ楽曲「Full House」というレコードをリリースしたこともあった。
シドさんは、高校時代から演劇の世界に興味を持ち、ブロードウェイ女優だったアリス・メリルから演劇を学び、ジーン・ハックマンやダスティン・ホフマンなどが属していたパサディーナ・プレイハウスで本格的に演劇の世界に入った。そして、当時UCLAの学生だったジャック・ヒル監督の学生映画に出演。その後、長年タッグを組むことになるヒル監督の作品で、『コフィー』などのブラックスプロテーション作品に出演。テレビにも進出し、「スパイ大作戦」「地上最強の美女たち!/チャーリーズ・エンジェル」「冒険野郎マクガイバー」などさまざまなドラマに参加した。
近年では、そんな多くの作品で強烈な印象を残してきたシドさんの演技にほれ込んだクエンティン・タランティーノが、映画『ジャッキー・ブラウン』『キル・ビル Vol.2』などでキャスティングしたこともあった。ロブ・ゾンビ監督のホラー映画『マーダー・ライド・ショー』シリーズでは主演を務め、カルト的な人気を博した。 (細木信宏/Nobuhiro Hosoki)