尺八の達人、ジョン・海山・ネプチューンのドキュメンタリーが10月公開
米カリフォルニア生まれの尺八師範、ジョン・海山・ネプチューンの半生を追ったドキュメンタリー映画『海山 たけのおと』が10月5日より渋谷ユーロスペースで1週間限定公開される。息子で映画監督のデビット・ネプチューンがメガホンをとり、奏者、作曲家、製菅師として尺八界に影響を与えてきたジョンの哲学や魅力に肉迫する。
尺八に魅了され1970年代に日本に渡ったアメリカ人、ジョン・海山・ネプチューン。1973年に尺八を学ぶため京都に短期留学したのち、民族音楽の学位を修めるべく一旦ホノルルに戻り、卒業後の1977年、改めて京都に移住。その後数年間の修行を経て、尺八都山流師範の免許を得て、師匠・三好芫山より雅号「海山(かいざん)」を授与。以来、発表したアルバムは20枚を超える。
日本では伝統や古典というイメージが先行する尺八だが、ジョンは「よそ者」としての現実も受け止めつつ、新しい独自の音色を奏でてきた。映画では、千葉県在住のジョンの自宅兼製管工房での日常や、国内外の演奏活動に密着するほか、本人をはじめ彼を取り巻く関係者にインタビューを敢行。家族、師匠、仲間、音楽界の著名人らの証言から、ジョンが日本の音楽界に与えてきた影響が明かされるのと同時に、一つの芸術を極めるために彼が犠牲にしてきた人生の側面も浮かび上がっていく。
本作は、完成後のクラウドファンディングで国内外より480万円を超える支援を集めた。(編集部・石井百合子)