キアヌ・リーヴス、日本のスターと戦う可能性も『ジョン・ウィック』のアクションに限界ナシ
大人気アクションシリーズ最新作『ジョン・ウィック:パラベラム』(10月4日全国公開)の日本公開が迫る主演のキアヌ・リーヴスとチャド・スタエルスキ監督が、ますます激しさを増すシリーズのアクションや本作の人気の理由について語った。
『マトリックス』『スピード』など一世を風靡(ふうび)するアクション映画に出演してきたキアヌは、『ジョン・ウィック』シリーズで、50代にして再び過酷なアクションに挑戦。亡き妻の遺した犬を殺され、復讐のため裏社会へと復帰する殺し屋ジョン・ウィックで新たな当たり役を手にした。シリーズ第3弾となる『パラベラム』では、復讐の果てに裏社会最強の組織から追われる身となったジョンの戦いが描かれる。
シリーズの魅力について「とても美しい映画だ。映像も衣装も最高な、ある種のファンタジー映画というのかな」とキアヌ。「エモーショナルな部分でいえば、(愛犬など)愛するものを失ってしまうジョンの気持ちに共感する人がたくさんいるんだと思う。ジョンが、個人の自由を求めて悪に対抗するところも魅力的だよね。サスペンスフルで、笑いもあるし。こうした、ほかにはないオリジナリティーにあふれた要素がみんなを惹きつけるんじゃないかな」
一方のスタエルスキ監督はスタントマン出身で、アクションチームと密に連携したアクションがシリーズの見どころ。今回も、俳優たちの肉体を駆使したバトルがノンストップで展開する。「映画作りが大好きなチームなんです。キアヌも僕も、みんなチャンバラ映画やマカロニ・ウェスタン、カンフー映画が大好きで。『ジョン・ウィック』はそんな連中が一体となって作り上げてる映画なんです」
とはいえ、前作のハードルを軽く越えてくる激しいアクションには、キアヌの体が心配になるほど。しかし、キアヌ本人は「『ジョン・ウィック』の素晴らしいところは、どんなことでも起こりうるところだ。今回でいえば、馬に乗ってアクションをしたり、雪合戦のようにナイフを投げ合ったり、刀でアクションをしたり。それがシリーズに相応しいものであれば何でもできるよ」と語る。「僕ができることがそのままアクションの限界点になるんだ。だから、より鍛えて頑張ったよ」
さらにスタエルスキ監督も「(アクションについて)特に限界などは設けていないんです。キャスト次第だと思っています」と断言。「僕らは常にユニークで新しいことに挑戦しようとする人と仕事がしたい。そして幸運にも、キアヌやハル・ベリーといった素晴らしいキャストに恵まれました。人は誰しも、カッコいい人がカッコいいことをするのに惹かれるものでしょう?」と笑顔で語る。
ちなみにジョン・ウィックは「鉛筆で3人殺した」伝説を持つ殺し屋。前作では見事にその伝説を実証してみせたが、今回はまさかの「本で殺す」技も披露する。「とにかく色んなことに挑戦したけど、武器を使った殺陣は楽しかったね。技術的な挑戦という意味では今回は刀を使う。“ワキザシ”(脇差)もね。それから、もちろん、銃もたくさん使ったよ」とキアヌ。そこでスタエルスキ監督が「僕自身は『47RONIN』でキアヌが見せた、ソードアクションが大好きなんだ。だから今回はキアヌに刀を使わせたかったんだよ」と続くと、「まさか! 僕の刀の扱いはヒドいもんだよ!(笑)」と照れ笑いを浮かべる。
劇中では、『ザ・レイド』で知られるインドネシアのアクション俳優ヤヤン・ルヒアンとセセプ・アリフ・ラーマンとも対決。日本のアクションスターとの戦いも期待したいと尋ねると「いいね! ショー・コスギとかね!」とスタエルスキ監督。本作でも、諸事情で出演はかなわなかったが、忍者軍団を束ねる最強の暗殺者・ゼロ(マーク・ダカスコス)役は当初、真田広之にオファーしていたという。
キアヌとスタエルスキ監督は『マトリックス』で、俳優とそのスタントダブルを務めた間柄でもある。先日、制作が発表されたばかりのシリーズ第4弾についてキアヌは「神話的な物語が、再び(みんなを)魅了して『マトリックス』の世界観に呼び戻してくれることを期待しているよ」と意気込みを語った。(編集部・入倉功一)