笑福亭鶴瓶、10年ぶり主演映画 お忍びで劇場へ 客に神対応
落語家の笑福亭鶴瓶が8日、東京・丸の内TOEIにて、10年ぶりの主演映画『閉鎖病棟-それぞれの朝-』(公開中)の公開記念舞台あいさつを平山秀幸監督と共に行った。落語の全国ツアーで訪れた北九州の映画館に、自らチケットを買ってお忍びで赴き、最前列に位置した鶴瓶は、上映後に振り返ると「6人しかいなかったんですよ」とぶっちゃけトークを展開したが、「今後も続けます。1対1になるまでやる!」と全国の映画館に出没することを宣言した。
本作は、精神科医でもある作家・帚木蓬生(ははきぎ ほうせい)の小説を『エヴェレスト 神々の山嶺』や『愛を乞うひと』などの平山秀幸監督が映画化。長野県にある精神科病院を舞台に、死刑囚だったが、執行に失敗し生き延びてしまった梶木秀丸(笑福亭鶴瓶)、幻聴が原因で周囲とうまくいかなくなってしまった元サラリーマンのチュウさん(綾野剛)、不登校のため通院する高校生の由紀(小松菜奈)が、心を通わせていくさまを描く。
11月1日の公開から1週間がたったが、鶴瓶は「久米宏さんや古舘伊知郎さんなど、業界の人もすごく観てくださっているようで、こっちが気づかないところもいろいろ感想を言ってくれるんです」と反響があることを明かす。自身も劇場にお忍びで足を運んでいるというと「劇場の人にも知らせず、チケット買って最前列に座るんです。それで終わったあと、パッと客席に振り返るのですが、北九州の劇場では6人ですよ」と笑いながら語った。
それでも鶴瓶は「写真も一緒に撮ったし、お客さんは喜んでくれるんですよね」と語ると「自分でこういうことを言うのは珍しいのですが、2回目観ても素晴らしい映画だと思いました。お客さんも大人なのに、言葉にならないぐらい泣いている人もいるぐらい。いま落語で全国ツアーを行っているので、抜け駆けでいろいろな劇場に行きます。いつか僕とお客さんの1対1にならないかな。それまで続けますから」と全国の映画館にお忍びで足を運ぶことを宣言していた。
またイベント後半には、劇中で鶴瓶が陶芸をするシーンで作った壺をプレゼントするコーナーも。運ばれてきた大きな壺を見た鶴瓶は「いる? こんな大きな壺。どうやって持ち帰るの?」と客席に呼び掛けると、大きな拍手が沸き起こる。鶴瓶は「変わった人たちやな」と客席をいじりつつも「今日はたくさん人がいてよかった」と満員の客席を見渡し、満面の笑みを浮かべていた。(磯部正和)