小島秀夫監督、映画とゲームの橋渡しを ノーマン・リーダスら出演「DEATH STRANDING」完成
ノーマン・リーダスなど豪華スターが出演する、PlayStation4向け新作ゲーム「DEATH STRANDING(デス・ストランディング)」を手がけたゲームクリエイターの小島秀夫監督が、10日に行われた発売記念イベント後に報道陣の取材に応じ、「つながり」がテーマとなる新作について語った。
【動画】「DEATH STRANDING(デス・ストランディング)」トレーラー
ゼロから再スタートを切り、ついに新作を完成させた小島監督。現在はパリ、ロンドン、ベルリン、ニューヨーク、東京など世界10都市をめぐる発売記念イベントの真っ最中で、世界中のファンと交流している。「ワールドツアーは10年ぶりくらいなんです。つながろうとは言っていますが、やはり実際に会うのが一番良い。フォトセッションとかサイン会で、お互いに握手して気持ちを交換する。そういうことはしばらくやってなかったことで、あらためてすごくいいなと思っています」
そんな本作には、ノーマンをはじめマッツ・ミケルセン、レア・セドゥ、リンゼイ・ワグナーなど、ハリウッド映画やドラマシリーズで活躍する俳優陣が出演。ゲームでありながら、目を見張る豪華スターのアンサンブルは、将来的に映画とゲームがつながることを期待させる。
映画とゲームの垣根についてどう考えているのか。小島監督は「ゲームはインタラクティブ(双方向)のものなので、映画とは180度違うものです。しかし将来的にはストリーミングなど同じ場所に集まるはず」と語る。「映画とゲームって制作のプロセスは途中まで一緒なんですよ。ゲームは最終出力がインタラクティブなだけで、使うテクノロジーも同じ。(俳優の演技を取り込む)パフォーマンスキャプチャーなんて『アベンジャーズ』なんかでもやっていることですから。そうなると、同じクリエイターやキャストが物語にはいってくることになる」
そのうえで小島監督は「僕は映画とゲームの橋渡しをしないといけない世代だと思っているので」と自身に課せられた責任に言及。「垣根というものはなくなって、すごく広い大地というか。そういったところでつながると思います。だからあと5年、10年もするとそういう議論はなくなっていくと思いますね」
本作は、謎の現象「デス・ストランディング」によって人々や都市が引き裂かれたアメリカ大陸を舞台に、主人公サム・ポーター・ブリッジズ(ノーマン)となり、孤立した人々に物資を届けながら、分断された都市をつなげていく。世界中のプレイヤーがフィールド上に設置したガジェットや建造物が、インターネットを通じて共有される、間接的なつながりも本作の特徴だ。
「個人的に、世界は(オンラインで)つながっているのに、それがポジティブじゃないというか、相手をヘッドショットばかりしている。それも楽しいんですけど、それだけがいいのかなということへの問いかけをしたかった」という小島監督は、発売を迎え「そのゆるいつながりがいいという人がいてけっこういてびっくりしました。特に日本の方はつながることにすごくボジティブですね」と語る。
SNSでも多くのファンとつながっている小島監督は、この日のイベント内で、TwitterとInstagramのフォロワー数が最も多いゲームクリエイターとして、2つのギネス世界記録に認定された。SNSついて小島監督は「けっこう疲れてきて、しんどいなと思ってたんですけど、もうちょっと頑張ります」と苦笑しながらも、SNSのポジティブな影響を語った。
「諸刃の剣というか、使い方次第。世界とつながっていることは悪くないと思います。僕の場合は、本を読んだり映画を観たりしてそれをつぶやくと、ファンがどんどん拡散してくれて作家さんにとどいて、DMで友達になってつながったりする。SNSの本来のパワーは、ポジティブなものだと思います。そういう意味ではギネスもいただけたので、『つながり』という良さを皆さんにより拡散していきたいです」(編集部・入倉功一)
PlayStation4向けゲーム「DEATH STRANDING(デス・ストランディング)」は発売中