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『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』レビュー シリーズへの思いが詰まった完結編

“スカイウォーカー・サーガ”がついに完結!
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 映画『スター・ウォーズ』シリーズの完結編『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』は、J・J・エイブラムス監督が得意とするサスペンスフルな仕掛けで物語に引き込みながら、シリーズへの愛とファンサービスを詰め込み、新しくも過去作のフィーリングを思い起こさせる完結編になった。

間もなく公開!『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』予告編【動画】

 レイ、フィン、ポー・ダメロンが共に旅をする痛快なアドベンチャーパートは、旧三部作のような冒険心にあふれている。キャスト陣とドロイドたちのユーモアあふれる掛け合いは、もっと早く彼らの冒険を観たかったという思いと共に、旧三部作を観ていた、あの頃にもどったような感覚を覚えるはず。C-3POの活躍とコメディーリリーフぶりは、往年のファンにはたまらないものがあるはずだ。

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 今回のレジェンドキャストとなった、ランド・カルリジアンことビリー・ディー・ウィリアムズの使い所もニクい。ミレニアム・ファルコンを駆る、生き生きとしたランドの表情はあのころのままだ。過去作のフィーリングがそこかしこで再現され、この映画を気に入らない『スター・ウォーズ』ファンがいたとしても楽しめる瞬間が用意されており、エイブラムス監督の巧みさが際立つ。

 しかし何より本作は『フォースの覚醒』からシリーズをリードしてきた新世代たち、何よりレイの物語だった。かつてルーク・スカイウォーカーがそうであったように、広い世界へと旅立った何者でもなかった女性は、本当の意味で自分の運命と向き合う。

 レイ役のデイジー・リドリーが公開前に語っていた「レイがどこから来たのかよりも、彼女が今どこに立っているのかが重要なんだと思っている。誰と出会って、誰と家族を作るのか。彼女が自分でどんな選択をしていくのかが大切」という言葉は、鑑賞後により重要な意味をもつはず。本国アメリカにおけるプレミア上映後、エンドロールに表示されるキャストの中でも一際喝采を集めたのは、ほかでもないデイジーだ。
 
 エイブラムス監督は、32年ぶりの続編『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(2015)を手がけた際、前シリーズのキャストを呼び戻し、映像、美術、音楽など技術面に至るまで『スター・ウォーズ』にリスペクトを捧げた。完結編となる本作には、シリーズの新たな一歩を描く一方で批判にもさらされた『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(2017)を含む、過去8作品にわたる全エピソードへのオマージュが詰め込まれている。シリーズにおいて回収するべき要素はしっかりフォローし、9章にわたるエピソードを締めくくったことは賞賛されるべきだ。ファンが本作について語る時、これまでのシリーズを振り返り、新しい世代にその魅力を伝えていくことだろう。(編集部・入倉功一)

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