のん、3年ぶり『この世界の片隅に』新作に感慨 喜びに満ちています
女優ののんが21日、都内で行われたアニメーション映画『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』の公開記念舞台あいさつに登壇した。
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2016年に公開された『この世界の片隅に』を原型とし、第二次世界大戦中の広島・呉を舞台に、大切なものを失いながらも前を向き、日々の暮らしを紡いでいく女性・北條すずの深い感情を、新たなエピソードを盛り込むことで描き出す本作。この日はすず役ののんのほか、声を担当した細谷佳正、岩井七世、尾身美詞、潘めぐみ、新谷真弓、牛山茂、片渕須直監督が参加した。
のんは客席の拍手に迎えられて壇上に立つと「嬉しいです。まさか3年も年月が経つとは思わなかった」と感慨深げな表情。「シーンがつけ足されてまた新作として送り出すという刺激的な経験をさせてもらって今、喜びに満ちています。新しいシーンがつけ足されて全く違った味わいの作品になったと思います」と嬉しそうにコメント。片渕監督についても「一つの作品に力を注いでまっすぐに進んでいく執念の監督と携われたことを一生忘れないです」と感謝の気持ちを述べた。
印象的なシーンを問われると、のんは周作とのシーンを挙げ、周作の「炭になりきっとらんかった」というセリフを紹介。「この映画のすごいところ、セリフの裏にいろんなことが隠されていて、観た人がいかようにも解釈できるようになっている。すごいなって。この作品の威力が凝縮されているような気がしました」と熱っぽく話す。
片渕監督ものん同様、感慨深げな表情。3年ぶりのアフレコにあたり、キャストが3年前と同じように演じられるか不安があったが、「みなさんがマイクの前に立たれた途端に不安は吹き飛んだ」とキャストの奮闘を称える。「みんな3年前のまま。ずっとずっとそこに住み続けてくれているように、生きているように演じてくれました。本当に嬉しかった」と振り返った。
「昨日公開初日なのに毎日映画コンクールにもうノミネート。その話をのんちゃんにしたら、『新作として認められているんだ』って。僕もそれは本当に嬉しいなって。1133日間、公開からずっと上映を続けてこれた作品。昨日からそれがこの作品に変わった。また再スタート。ずっとずっとすずさんがスクリーンでみなさんの前で上映され続けると嬉しい」と語っていた。(取材・文:名鹿祥史)
『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』は全国公開中