カズ・ヒロ(辻一弘)、シャーリーズ・セロン激変メイクに約3時間 こだわりは?
シャーリーズ・セロン主演映画『スキャンダル』(2月21日公開)で4度目のアカデミー賞メイク・ヘアスタイリング賞候補となったカズ・ヒロ(辻一弘)が、シャーリーズから直々にオファーを受けて参加することになった経緯や、本作の特殊メイクで苦戦した点などについて明かした。カズは本作で、シャーリーズ、ニコール・キッドマンが演じる実在のニュースキャスターの特殊メイクを手掛けた。
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『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』(2017)でゲイリー・オールドマンを英国首相ウィンストン・チャーチルに変身させ、第90回アカデミー賞でメイク・ヘアスタイリング賞を受賞したカズ。長らく映画界を離れていたカズだが、同部門受賞において日本人として初めての受賞とあって、瞬く間に時の人となった。ゲイリー・オールドマンから絶大な信頼を得ているカズが、今度は『モンスター』(2003)のオスカー女優シャーリーズ・セロンから連絡を受け、2016年に米テレビ局FOXニュースで行われたセクシュアルハラスメントの実話に基づく『スキャンダル』に参加することになった。
カズは、参加の経緯について「シャーリーズから一緒に仕事をしたいと連絡があり、ミーティングをしました。以前から役者、プロデューサーとしても尊敬をしていた彼女と仕事をしたかったのと、映画の内容が今の世の中に伝えるのに大事なものだと共感したので引き受けました。それと、人物のメイクは一番やりたいことなので」と説明。シャーリーズ、そして監督のジェイ・ローチから「映画のストーリーを語る上で、登場人物が今現在生きていて有名な人ばかりで、本人に似ていると言うことが非常に大事なので、この仕事を引き受けて欲しい」と相談を受けたという。
カズが担当したのは、局から一方的に解雇されるベテランキャスターのグレッチェン・カールソン(ニコール)、グレッチェンからセクハラで訴えられるCEOのロジャー・エイルズ(ジョン・リスゴー)、そしてその事件を複雑な思いで見つめる人気キャスターのメーガン・ケリー(シャーリーズ)の特殊メイク。とりわけメーガンに関しては、演じているのがシャーリーズと気づかないと驚く声が多く挙がっておりシャーリーズも3度目の主演女優賞候補となった。
メイクに要した時間は、シャーリーズに毎3時間弱、ニコールに2時間、ジョンに3時間ほど。特にこだわった、苦戦した点を「特に女性で、肌がスムーズでそこにアプライエンス(特殊メイク用人工皮膚)を貼り、ビューティーメイクをするのは非常に難しいです。メーガン・ケリーとシャリーズは共に非常に有名で顔が知られた人なので、観客を納得させるようにメイクを仕上げるのが大事だった」と振り返っている。
シャーリーズを「女優としての素晴らしさはもちろんですが、非常にシャープで、面白く、愛情にあふれた人」と評し、『スキャンダル』でのコラボレーションを「貴重な体験」と噛みしめるカズ。今年10月頃に日本で個展を行う予定で、オスカー受賞後の活動については「残りの人生で、やはり自分の時間をかけて意味のある作品に関わりたいので、吟味して選んでます」と話している。(編集部・石井百合子)