松たか子、庵野秀明の大声に驚く 『ラストレター』で夫婦役共演
女優の松たか子が17日、TOHOシネマズ日比谷で行われた映画『ラストレター』初日舞台あいさつに来場し、『シン・ゴジラ』などで知られる庵野秀明監督が、俳優として出演したことについて振り返った。この日は広瀬すず、森七菜、福山雅治、岩井俊二監督も来場した。
『Love Letter』『リリイ・シュシュのすべて』など数々の名作を世に送り出してきた岩井俊二監督の新作映画となる本作。主人公の裕里(松)が、姉の死を知らせるために代理で同窓会に参加し、そこで初恋の相手である小説家の乙坂鏡史郎(福山)と再会したことから始まるラブストーリー。初日を迎え、岩井監督は、「撮影したのはおととしの夏。それから仕上げをやって。やっと今日お披露目ということで、世に旅立つことができました。ここにいらしている素晴らしい俳優の方々の、すごくチャーミングな表現力で、満足のいく作品になりました」と誇らしげな表情を見せた。
裕里の夫で漫画家の宗二郎を庵野秀明が演じているが、庵野が2000年に発表した実写映画『式日-SHIKI-JITSU-』では、岩井監督が主演俳優を務めていた。そんな縁について、岩井監督は「そういうこともありましたし、個人的に仲のいい友人だった。ふと(宗二郎役に)いいんじゃないかと思いついた」と述懐。「ただ、『エヴァンゲリオン』で忙しい時期だったので、すかさずファンの方に対して全部この監督のせいだと言っていましたけど(笑)。素敵な演技をしてくれましたね」と振り返る。
一方、松は「庵野監督には、かなり前にミュージックビデオを撮っていただいたことがある」といい、「(『ラストレター』の)現場では『こんなはずじゃなかった』とブツブツ言いながら。でも岩井監督の言うことは淡々と、粛々と聞いていましたね」とクスクス笑い。劇中では、妻の浮気を疑った宗二郎が、彼女から携帯を取りあげるシーンがあったことをふまえ、「携帯を取りあげて、『スマホ禁止だ!』と言っていたんですけど、庵野さんってこんな大きな声が出せるんだと」と楽しそうに振り返った。
そしてキャストを代表して最後のあいさつを求められた松は「初日に足を運んでいただいてありがとうございました。夢のような撮影期間を経て、今日を迎えることができました」と切り出すと、初主演映画『四月物語』以来約21年ぶりに組んだ岩井監督について「個人的には岩井さんとは久しぶりにお仕事が出来て、とてもうれしかったです。現場には、その時にご一緒した方もいれば、初めましての方もいて。すごく素敵な現場でした。(2019年11月18日に急逝した)木内みどりさんもそうですし、この作品で魅力的な方にもたくさん出会うことができました。本当に感謝でいっぱいです。これから上映が続きますので、また足を運んでいただければと思います」と会場に呼びかけた。(取材・文:壬生智裕)
映画『ラストレター』は全国公開中