レジェンドSEEDAが登壇!笠松将は「もうヒザ、ガクガクです」
日本のヒップホップ界のレジェンドSEEDA(シーダ)の傑作アルバム「花と雨」を原案にした映画『花と雨』の公開初日舞台あいさつが17日に都内で行われ、オーディションで初主演を勝ち取った新進俳優・笠松将、本作で長編映画監督デビューを果たした映像作家の土屋貴史、SEEDAが登壇した。
アルバム「花と雨」の内容にSEEDAの自伝的エピソードを折り込んだ本作は、周囲になじめない若者がヒップホップによって困難な現実を乗り越えようとするさまを描いた青春物語。ヒップホップに自身の居場所を見いだす主人公・吉田役の笠松は「今日、ここにいて作品を観て下さった一人一人の方たちに感謝です」とあいさつし、「自分が吉田役をやらせてもらうことが決まって、初めてSEEDAさんとお会いしたとき、もうヒザ、ガクガクになりながらだったんですが、そのときと今も変わらないです」とにっこり笑った。
さらに笠松は「僕は演じるキャラクターと自分の中にある同じものを探して芝居をするので、今まで演じたキャラクターは全部僕でもあるんです。でもその中で、今回は(演技指導を受けた)MCの仙人掌さん、土屋監督、みんなで吉田役を作って行った。より深く役を追求できました」と充実の表情を見せる。「クランクイン前日にSEEDAさんと二人でドライブして、いろんなお話をして『笠松さんになら、全部任せられる』と背中を叩いてもらったんです。今、SEEDAさんと同じ舞台に立っていられて、うれしいです」と感無量だった。
客席で観客と一緒に本作を鑑賞後、そのまま舞台に上がったSEEDAは「今日は泣かないつもりだったけど、作品にリアルな感情があふれているから、最後に泣いちゃったっすよ、監督」と第一声。「感情があふれて歌詞が見えなくなる最後のシーンとか、あれは実際にクラブであったリアルなシーンだし、全部のエピソードに感情を吹き込んでくれたよ。ヤバイよ。たまんないっす。最高だと思いました」と会場を盛り上げる。自身の分身でもある吉田を演じた笠松についても「彼はハングリーでストイックで、一つのことにパワーを入れていく人だから、会うたびにどんどん、この人ヤバイよ、すげぇ人だって思ってました。めっちゃシンパシー」と絶賛した。
メガホンを取った土屋監督は、これまでPerfumeや水曜日のカンパネラ、ゆずなど、多くのアーティストのMVを手がけてきた映像作家で、SEEDAからの依頼で長編映画監督デビューとなった。
土屋監督が「『花と雨』というアルバムは、何度聴いてもすごい完成度だと思います。このアルバムに込められたものを、それだけ映像化できるか、リアルさだったり、生々しさをどれだけ出せるかを、一番に考えました」と映画化のポイントを明かすと、SEEDAは「やっぱ、圧倒的な映像のクオリティーっすね。オレ、日本で土屋監督が一番だって思ってるし、最高っす」とSEEDA流の賛辞を送っていた。(取材・文:岸田智)
映画『花と雨』はヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開中