『ラストレター』中国版、今秋公開 岩井監督初の中国映画
現在公開中の岩井俊二監督最新作『ラストレター』の中国版が、『チィファの手紙』の邦題で今秋公開されることが決定した。姉を亡くしたヒロインと、初恋の相手を軸にした2世代にわたる恋を描くストーリーで、『小さな中国のお針子』『ウィンター・ソング』などのジョウ・シュンがヒロインを務める。
岩井監督にとって初の中国映画となる本作は、自身の小説「ラストレター」が原作。姉の死を知らせるために代理で同窓会に参加した妹のチィファが、姉の同級生に姉本人と勘違いされた上に、初恋相手の先輩チュアンと再会。チィファは彼に姉が亡くなったことを言い出せぬまま、姉のふりをして文通を始める……というストーリーが展開する。
日本版では松たか子が演じたヒロインに中国四大女優と言われるジョウ・シュン、福山雅治が演じた初恋の相手に『スプリング・フィーバー』『空海-KU-KAI- 美しき王妃の謎』などのチン・ハオ。撮影監督は日本版『ラストレター』でも撮影を務めた神戸千木、プロデューサーに『ウィンター・ソング』『最愛の子』などのピーター・チャンが名を連ねている。
岩井監督はプロデュース、脚本、編集、音楽も兼任しており、本作に以下のようにコメントを寄せている。「僕自身初めての中国映画であるということ。みずからの原案を複数の国で撮影するということ。なかなか挑戦的なプロジェクトで実現に相当な時間もかかりましたが、無事完走出来て、改めて振り返るとすべてが忘れ難い思い出です。撮影は素晴らしい俳優たちとスタッフに恵まれ、幸福な時間でした」
本作は2018年11月9日より中国で公開され、中国映画としてはその週の興行ランキング1位を獲得。中国のアカデミー賞とされる第55回金馬奨では最優秀主演女優賞、助演女優賞、脚本賞の3部門でノミネートされた。(編集部・石井百合子)