『1917 命をかけた伝令』約3分半の本編ワンカット映像が公開!
第92回アカデミー賞で作品賞を含む10部門にノミネートされている映画『1917 命をかけた伝令』から、10日の受賞式を前に、全編ワンカットで展開する映像の一端を体感できる、約3分半の本編映像が公開された。
第1次世界大戦を舞台に、敵軍の罠にかかろうとしている、1,600人規模の味方部隊に攻撃中止命令を届けるため、たった2人で最前線を目指すイギリス軍兵士を描いた本作。監督のサム・メンデスは、危険地帯を駆ける若き兵士の地獄めぐりを観客に体感させるべく、全編がひとつながりの映像に見えるワンカットで描き、その驚異的な撮影技術も話題を呼んでいる。
公開されたのは、驚異的な映像をほんの少し体験できる約3分半のフッテージ。とあるフランスの農家に辿り着いた2人の兵士、スコフィールド(ジョージ・マッケイ)とブレイク(ディーン=チャールズ・チャップマン)の様子を映し出した本編映像で、建物内と周囲を散策する2人が友軍と敵機の空中戦を目撃し、墜落した機体のパイロットを救うまでが、ひとつながりの映像で描かれている。
まさに驚異的な撮影についてメンデス監督は「完璧に途切れなく物語を描くために、全てにおいて秒単位まで計算されるなど緻密な調整をした。特にリハーサルについては、今までの過去のどの作品よりも時間を費やした。自身のキャリアにおいて、最もエキサイティングな仕事だった」と振り返っている。
本作の撮影を手掛けたのは、アカデミー賞撮影賞にもノミネートされている、伝説的な撮影監督ロジャー・ディーキンス。「引き画を入れるか、どうカメラを動かせば周囲を見渡せるか、その瞬間を強く映せるか、ワンショット撮影というのはそのバランスが肝だった。ただ2人を背後から追うだけの映像にはしたくなかった。物語を描写する方法を模索したよ」とその苦労を振り返る。一方で、「観客にはワンカットの映像に気を取られずに作品を観てほしい」とも。「観客がストーリーに没頭して登場人物と一緒に体験するために作った映像だ。観客が撮影技術に気を取られるようではある意味失敗だ」とコメントを寄せている。
その思いはメンデス監督も同じだ。「映画は体験だ。言葉ではなく感情で観客を夢中にさせるものだ。だから私は使える映画技術をすべて使って、観客を戦争の真ん中に連れて行った。かつてない没入感だ」と映像の仕上がりに自信を覗かせながら「観客にはカメラを忘れて、彼らの感情的な決断に共感してほしい。兵士たちが何を体験し、戦争で人間に何が起こるのか、我々が作ったのは体験そのものなんだ」と思いを明かしている。(編集部・入倉功一)
映画『1917 命をかけた伝令』は2月14日より全国公開