カズ・ヒロ(辻一弘)2度目のオスカー受賞!シャーリーズ・セロンを実在のキャスターに変身
第92回アカデミー賞
第92回アカデミー賞授賞式が10日(現地時間9日)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで行われ、メイクアップアーティストのカズ・ヒロ(旧:辻一弘)が、映画『スキャンダル』(2月21日公開)で2年ぶりに2度目のメイク・ヘアスタイリング賞を受賞した。4度目のノミネートとなった同作は、2016年に報道された米ニュース放送局・FOXニュースで起きたセクシャルハラスメントの裏側を史実に基づいて描いたドラマで、カズはシャーリーズ・セロンやニコール・キッドマンを実在のキャスターに変身させた。第90回に『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』で初受賞して以来、わずか2年後の受賞となった。
本作は、局から一方的に解雇された元FOXニュースのベテランキャスター、グレッチェン・カールソンが、CEOのロジャー・エイルズをセクハラで訴えた顛末を描く物語。グレッチェンに『めぐりあう時間たち』(2002)でアカデミー賞主演女優賞を受賞したニコール・キッドマン、エイルズに『レイジング・ケイン』(1992)、『クリフハンガー』(1993)などの悪役で知られるジョン・リスゴー。事件に揺れる人気キャスターのメーガン・ケリーを、シャーリーズ・セロンが演じた。監督は、『ミート・ザ・ペアレンツ』(2000)、『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』(2015)などのジェイ・ローチ。
『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』(2017)では、英国首相ウィンストン・チャーチルにふんしたゲイリー・オールドマンの特殊メイクを担当したカズ。『スキャンダル』ではFOXニュースのキャスター及びCEOらのメイクを、アン・モーガン、ヴィヴィアン・べイカーと共に担当。シャーリーズに毎3時間弱、ニコールに2時間、ジョンに3時間ほど費やした。とりわけ劇的に変貌したのがシャーリーズで、メーガン本人とは大きく異なる鼻孔を表現するために毎日3Dプリンターで作った鼻栓をつけていたという。
カズはこれまでに『もしも昨日が選べたら』(2006)、『マッド・ファット・ワイフ』(2007)で2年連続メイク・ヘアスタイリング賞にノミネート。『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』で同部門において日本人として初めて受賞したのち、2019年3月に米国市民権を獲得。「辻一弘」から「カズ・ヒロ(Kazu Hiro)」に改名した。
メイク・ヘアスタイリング賞部門の候補には、ホアキン・フェニックスがDCコミックスの悪役ジョーカーを演じた『ジョーカー』、レネー・ゼルウィガーが女優・歌手のジュディ・ガーランドにふんした『ジュディ 虹の彼方に』、アンジェリーナ・ジョリー主演のダークファンタジーの続編『マレフィセント2』、オスカー監督のサム・メンデスが第1次世界大戦を舞台にした戦争ドラマ『1917 命をかけた伝令』が挙がっていた。(編集部・石井百合子)
第92回アカデミー賞授賞式は、2月10日(月)午前8時30分よりWOWOWプライムにて放送中(夜9時よりリピート放送)