ディカプリオとデ・ニーロ共演の新作をスコセッシ監督が明かす
レオナルド・ディカプリオとマーティン・スコセッシ監督が、再びタッグを組む新作『キラーズ・オブ・ザ・フラワー・ムーン(原題)/ Killers of the Flower Moon』の詳細が、スコセッシ監督とフランスの映画雑誌、Premiereとのインタビューで明らかになった。
【動画】スコセッシ製作総指揮&カンバーバッチ主演!映画『エジソンズ・ゲーム』予告
本作は、パラマント・ピクチャーズのもと企画されている作品で、作家デイヴィッド・グランのノンフィクション本「花殺し月の殺人 インディアン連続怪死事件とFBIの誕生」を基に、映画『フォレスト・ガンプ/一期一会』のエリック・ロスが脚色を担当する。そのストーリーは、石油により富を得たオクラホマ州のオーセージ郡に住むネイティブ・アメリカンが、1920年代に殺害された真相を描いたもの。
Premiereとのインタビューを英語に訳したCollliderによると、スコセッシ監督は「われわれは(新作は)西部劇になると思っている。1921年~1922年にオクラホマ州で起こる出来事だ。カウボーイ、馬車、馬も確かにいる。映画は、白人が興味を示さないひどい土地を与えられたが、その地を愛することになるネイティブ・アメリカンを主に描くことになるだろう。そして、石油を発掘したオーセージ郡の人々は、それから10年間、世界一裕福な人々になっていく。それから、コロラドやユーコン準州などの採掘地域と同様に、白人やヨーロッパ人が現れ、オーセージ郡の人々はすべてを失う。そこでは、犬を殺すことの方が、ネイティブ・アメリカンを殺すことよりも、刑務所に行く可能性のあった暗黒の世界だ」と作品の世界観を明かした。
さらにスコセッシ監督は、「レオナルド・ディカプリオが主役を務め、ボブ(ロバート・デ・ニーロ)が、“キング・オブ・ザ・オーセージ・ヒルズ”と呼ばれ、ほとんどの(ネイティブ・アメリカンの)殺人の責任を負うウィリアム・ヘイル役を演じることになる。それ以外は、ネイティブ・アメリカンの俳優になるだろう。(僕にとっては)現在のわれわれにつながる(差別などの)精神を考えることが興味深い。文明の歴史はメソポタミアにさかのぼり、ヒッタイト人(紀元前15世紀頃アナトリア半島に王国を築いた民族)は他の人々に侵略され、姿を消したり、後に同化されたり、あるいは吸収されたりしていった。二度の世界大戦を通じて、他の文化で再現されたこの(差別の)概念を見つめてみることは魅力的なことだ。そして、(この題材は)時代を超越したもので、最終的にこれがわれわれが作ろうとしている映画になるだろう」とコメントしている。
これまでスコセッシ監督は、『エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事』や『ギャング・オブ・ニューヨーク』などで時代物の作品を手掛けてきたが、今作が初の西部劇になる。 (細木信宏/Nobuhiro Hosoki)