いま絶対知りたい!話題の俳優・塩野瑛久に注目
昨年10月に公開された映画『HiGH&LOW THE WORST』や、公開中の『貴族降臨 -PRINCE OF LEGEND-』で魅力的なキャラクターを作り上げ、人気が急上昇している俳優の塩野瑛久(しおのあきひさ)。今後さらなる活躍が期待される塩野に注目したい。
熱狂的なファンを多く持つ『HiGH&LOW』シリーズと人気コミック「クローズ」「WORST」がクロスオーバーした『HiGH&LOW THE WORST』では、鳳仙学園(ほうせんがくえん)の一員・小田島有剣(おだじまゆうけん)を演じた塩野。映画が公開されると、小田島の魅力に陥落する人が続出し、SNSで大反響を呼んだ。その理由には、派手な見た目に反して冷静な策士であるなど小田島のキャラ設定の良さはもちろんあったが、大勢の若手キャストのなかでひと際視線を集める好演をした塩野の実力がある。
個性豊かな14人の王子たちが伝説の王子の座を巡って火花を散らす『PRINCE OF LEGEND』(2019)では、ストレートな黒髪が特徴的なメガネ王子・久遠誠一郎役を務めた。その続編として王子と貴族のバトルを描く『貴族降臨 -PRINCE OF LEGEND-』では、まじめな印象だった誠一郎が髪を金色に染めて、ゴージャスなコートを羽織り、印象をガラリと変えた貴族・ラファエルの姿で登場。王子から貴族側へ寝返った誠一郎の存在は物語のひとつのカギであり、塩野は限られたセリフのなか表情で魅せる芝居をしている。かなりぶっ飛んだ世界なのに、彼の切ない立場に自然に感情移入できてしまう。
『HiGH&LOW THE WORST』にしても『PRINCE OF LEGEND』シリーズにしても、登場人物があれだけ多いなかで、キャラクターの立ち位置をきちんと理解した上で、魅力的に見せるようにうまく立ち回ることができるカンの良さ。1番目、2番目のキャラクターではなくとも、そのキャラの裏にあるドラマ、奥行を感じさせる。
また、舞台「里見八犬伝」では犬坂毛野役で女装での芝居にも挑戦。主演ドラマ「Re:フォロワー」では、赤髪が印象的な見た目はチャラいがアツい心を持った役どころ。「来世ではちゃんとします」では、特殊な嗜好を持ったハイスペックイケメン役。一方で、昨年11月に公開された映画『いのちスケッチ』では、佐藤寛太演じる主人公の友人としてナチュラルな役どころも魅力的に演じ切るふり幅の大きさ。キャラクター要素が強いものにもハマり、金髪も赤髪も似合う端正な顔立ちと、役を咀嚼して自分のものにする力の両方から、抜きん出た魅力を持ったキャラクターを生み出してしまう。
塩野は、男性エンターテインメント集団「男劇団 青山表参道X」のメンバーで、東京都出身。1995年生まれ。2011年に「第24回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」審査員特別賞/AOKI賞をダブル受賞した。2013年には特撮ドラマ「獣電戦隊キョウリュウジャー」キョウリュウグリーン/立風館ソウジを演じ、注目を浴びる存在になった。
若手俳優の登竜門である「スーパー戦隊」シリーズに出演していた当時は10代であどけなさが残っていたが、いまや25歳に。不思議な色気を漂わせ、カメラを向けられればあどけない表情から色っぽい視線まで、自在に操る。一見するとクールにも見えるが、イベントなどでは気さくな笑顔を見せるというギャップ。着実にファンを増やしているのもうなずける。今後の活躍も気になるところだ。(編集部・小山美咲)