神父による児童性的虐待事件…フランソワ・オゾン監督の衝撃作7月公開
『スイミング・プール』『2重螺旋の恋人』などのフランソワ・オゾン監督が第69回ベルリン国際映画祭銀熊賞(審査員グランプリ)を受賞した映画『グレース・オブ・ゴット 告発の時』が、7月より公開される。フランスで今も裁判が進行中の「プレナ神父事件」に基づき、神父から性的虐待を受けた被害者たちが告発に立ち上がるさまを描く。
【写真】オゾン監督のミュージカル仕立ての2002年のミステリー
一人の勇気ある告発者に続いて80人以上もの被害者が名乗りをあげ、プレナ神父が教区を変えながら長年にわたって信者家庭の少年たちに性的暴力を働いていたことが明らかになった「プレナ神父事件」。映画では、何十年経ってもなお虐待のトラウマに苦しむ男たちが告発するまでの葛藤と、告発したことによる代償、告発によって生まれた希望を描く。
物語は、妻子と共にリヨンに住むアレクサンドルが、幼少期に自分を性的虐待したプレナ神父が今もなお子供たちに聖書を教えていることを知り、過去の出来事の告発を決意するところから始まる。被害にあった男たちの輪が徐々に広がっていく一方で、教会側はプレナの罪を認めつつも責任は巧みにかわそうとする。
主人公アレクサンドルを演じるのは、オゾン監督の『ぼくを葬る(おくる)』(2005)やグザヴィエ・ドラン監督の『わたしはロランス』(2012)などで知られるメルヴィル・プポー。被害者の一人であるエマニュエルにふんしたスワン・アルローが、フランスのアカデミー賞とされるセザール賞で助演男優賞に輝いた。(編集部・石井百合子)
映画『グレース・オブ・ゴット 告発の時』は7月、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開