Netflix、LAのエジプシャン・シアターを買収
Netflixが、ロサンゼルスの映画館、グローマンズ・エジプシャン・シアターの買収契約を締結したとVarietyなどが報じた。
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今回の決定は、Netflixにとってハリウッドでの映画制作に大きな躍進をもたらしそうだ。通常は映画が公開されてから90日間、劇場以外の方法で上映されてはいけないが、通常よりも早く映画を配信してきたのがNetflixだった。アメリカを代表する映画チェーン、AMCシアターズ、リーガル・エンターテインメント・グループなどでは、Netflixの新作を配信と同時に上映することを避けてきた。
グローマンズ・エジプシャン・シアターの買収によって、Netflixが自社の映画館でアカデミー賞の基準となるロサンゼルス内での1週間以上の上映の規定を満たすことになるため、より多くのNetflixの新作がアカデミー賞の対象となりそうだ。ちなみにNetflixは昨年、ニューヨークの老舗映画館パリス・シアターを所有する不動産会社と長期リース契約をしており、これで東西を代表する映画館を所有することになった。
Netflixの映画部門のトップ、スコット・ステューバーは「グローマンズ・エジプシャン・シアターは、ハリウッドの素晴らしい歴史の中の一部で、ロサンゼルスの映画コミュニティーに、1世紀近くも愛されてきました」とコメントしている。
1922年にシド・グローマンによってハリウッド・ブルバードに開館したグローマンズ・エジプシャン・シアターでは、ダグラス・フェアバンクス主演の映画『ロビン・フッド』のプレミアが初めて行われた。同映画館は、1992年にアメリカン・シネマテックによって買収され、1,280万ドル(約14億800万円)で改築されている。(1ドル110円計算)
今後Netflixは、同映画館でどのような戦略を立てていくのだろうか? (細木信宏/Nobuhiro Hosoki)