「麒麟がくる」染谷将太&池田優斗ら 水川あさみ主演『滑走路』新キャスト発表
32歳の若さで亡くなった歌人・萩原慎一郎さんのデビュー作にして遺作となった歌集を原作にした映画『滑走路』(秋公開)の新キャスト6名が発表され、大河ドラマ「麒麟がくる」の染谷将太、池田優斗が出演することが30日、明らかになった。
いじめや非正規雇用といった自らの経験を基に短歌を発表し続け、本歌集のあとがきを入稿した翌月に亡くなった萩原慎一郎さん。歌集「滑走路」は、苦難の中で生きる希望を歌い、苦悩を抱える人へのエールとして多くの共感を呼び、新聞やテレビなどで取り上げられた。本作は、水川あさみ、浅香航大、新人・寄川歌太演じる悩みを抱える3人の人生がつながっていくストーリーで、新たに坂井真紀、水橋研二、吉村界人、染谷将太、木下渓、池田優斗の出演が決定した。
坂井は幼なじみをかばったことでいじめの標的にされる中学二年生の学級委員長(寄川)を育てるシングルマザー、水橋は切り絵作家・翠(水川)の夫の高校美術教師、吉村は厚生労働省の若手官僚・鷹野(浅香)の同期、木下は学級委員長のクラスメートに。
「麒麟がくる」の織田信長役やドラマ「浦安鉄筋家族」の花丸木役も話題の染谷は、鷹野が死の原因を探る青年の元同僚に。また「麒麟がくる」の松平元信(徳川家康の少年時代)役や、映画『ひとよ』で佐藤健演じる主人公の幼少期などで注目された池田は、学級委員長の幼なじみにふんする。新キャストのコメントは下記の通り。(編集部・石井百合子)
■坂井真紀
大庭監督の強くてあたたかい思いと、心強いスタッフと共に、一つの人生を一生懸命生きました。一生懸命生きることは、楽しくて辛くて、喜んだり悔やんだり、止まったり進んだり。観てくださった方の手の上にそっと手を重ねられるような、あたたかい作品となって届けられたら嬉しいです。
■水橋研二
映画を映画館で観れる事に喜びと感謝を致します。コロナ禍が続く中、少しづつ日常に近づいていこうとする一つに映画館で作品を観る、という事があると思います。そして作品は皆さんが観て、感じて、何かを思い考える事で、その作品の完成だと思っています。是非『滑走路』を皆さんの中で完成させてください。
■吉村界人
僕が演じた雨宮という役は、少し高飛車で表面的には強いサラリーマンにも見えますが、そんな人間が垣間見せる虚勢や、友達にしか本音を吐露することができない繊細さみたいなものが少しでも伝われば幸いです。この作品は、卒なく生きている人間の隠れてる内側の部分が見え隠れしながら進んでいく作品だと感じています。
■染谷将太
繊細で濃密な人間の闇と美しさを描ききった作品だと思っています。それを実現したのは大庭監督。監督は人としてとても繊細であり、そのうえ人を奥深くまで解釈しようとする器量がこの作品に現れていると思います。一筋縄では行かない人生と葛藤から生まれる人としての美しさ。皆様へピュアに届く事を祈っております。
■木下渓
この作品に出演させていただいたことに心から感謝しています。天野には、太陽が昇るときの「包み込む様な優しい強さ」があると感じて大切に演じました。大庭監督や共演させていただいた皆さんと真剣に作品に向き合いながら、人を理解することの大切さを学び続けた日々でした。本当にたくさんの方とこの作品を共有したいです。
■池田優斗
台本を読んだ時はとても心が苦しかったです。裕翔を演じる時、今起こった出来事に対し素直に演じようと心がけました。親友を裏切りたくない、でも自分がいじめられてしまう怖さと戦う裕翔の心の中の葛藤を観ていただきたいです。