中村倫也、北川景子主演映画で弁護士役 『ファーストラヴ』新キャスト3名発表
北川景子の主演映画『ファーストラヴ』(2021年全国公開)の新キャスト3名が31日発表され、中村倫也が北川演じる主人公の義理の弟役に決定した。今年3月に放送された単発ドラマ「不協和音 炎の刑事VS氷の検事」では冷静沈着なエリート検事にふんした中村だが、本作では女子大生が父親を刺殺した事件を担当する弁護士に。また、事件の容疑者に芳根京子、主人公の夫に窪塚洋介がふんする。
『ナラタージュ』『Red』など映画化が相次ぐ島本理生が2018年に発表した同名小説を、「SPEC」シリーズや映画『十二人の死にたい子どもたち』などの堤幸彦監督が映画化する本作。アナウンサー志望の女子大生が父親を刺殺した事件を取材する公認心理師の真壁由紀(北川)が、容疑者と面談を重ねるうちに、自身の過去の記憶にも結び付く意外な真相が浮かび上がっていく。北川が自らの発案により原作のキャラクター設定に合わせ、髪を30センチ以上カットしたことも話題を呼んだ。
中村演じる庵野迦葉(あんの・かしょう)は、由紀と共に事件の真相に迫るクールでドライな敏腕弁護士。由紀の過去の記憶のカギを握る設定でもある。中村と言えば今年ドラマ「美食探偵」や映画『水曜日が消えた』など主演作が相次ぎ、新作主演映画『人数の町』が9月公開。『サイレント・トーキョー And so this is Xmas』『騙し絵の牙』なども控えている。北川とは同い年となり、本作への出演に以下のようにコメントしている。
「このビターな世界の中で、迦葉はどんな過去を背負い、またどんな未来を歩いていくのか、日常生活まで入り込むほどずっとず~っと考えていました。ここまで頭から離れなかった人物は初めてかもしれません。僕がこの世界に入る前から一ファンとして多大なる影響を受けてきた堤さん、窪塚さん。もはや百戦錬磨の芳根さん。そしてなにより、同世代の星、北川さん。試写の案内が届くのが楽しみな今日この頃です。ご期待ください」
由紀と迦葉が向かい合う父親殺しの容疑者・聖山環菜(ひじりやま・かんな)を、今年はドラマ「コタキ兄弟と四苦八苦」「大江戸グレートジャーニー ~ザ・お伊勢参り~」や映画『記憶屋 あなたを忘れない』などでヒロインを演じた芳根京子。由紀の夫、迦葉の兄であり、二人のよき理解者となるカメラマンの真壁我聞を、今年1月よりNetflixで配信されたイギリスのテレビシリーズ「Giri / Haji」が話題を呼び、現在映画『破壊の日』が公開中の窪塚洋介が演じる。
芳根、窪塚、堤監督のコメントは下記の通り。(編集部・石井百合子)
芳根京子(聖山環菜役)
環菜と向き合えば向き合うほど、引きずり込まれそうで震える恐怖を、初めて味わいました。撮影が終わった今も、思い出すと涙が溢れます。現場の温かい空気と、スタッフ・キャストの皆様に心から救われました。真壁先生が北川さんで本当に良かったです。初めての堤組で経験させてもらった事は、一生忘れません。
窪塚洋介(真壁我聞役)
何もしないことの難しさ。堤監督との12年ぶりの仕事で求められたのは"何もしない"こと。何の狙いも持たずにただただ良き夫、良き兄としてカメラの前で在ることは想像以上に難しかった。つい作為的になりがちなところを北川景子さん始め、演者とスタッフが真摯に自分の仕事に向き合う様に支えられて挑戦することが出来たように思います。
堤幸彦(監督)
今回のキャストはまさにベストな人選であった。お陰で密度の濃い化学反応がいくつも。中村氏は眉目秀麗な弁護士を演じるが、彼の役が持つ『影』はストーリーの低いところで少しずつ温かい流れとなって全体をくるんでいく。難しい役どころだったがストイックに演じ切ってくれた。芳根京子さん。役に憑依するとは彼女の事だ。撮影のシステムも熟知していて狙った場所で狙った以上の演技をする。まさに天才。涙の魔術師。そして盟友窪塚洋介。いろいろと過去から演じてもらったが、今回はまさに「はまり役」ではないか。信念と優しさ、まるで扇の要のようにいい声で動揺する魂を鎮めていく。他にもたくさんのこの映画にとっての適材適所な役者が渦巻いている。本当にたくさん。なんとも贅沢な作品作りであった。感謝!