石橋静河の芝居は劇薬!『人数の町』監督が明かす魅力
中村倫也主演の映画『人数の町』(公開中)で、ヒロイン役を務める石橋静河の魅力について、監督の荒木伸二が語った。
本作は、河瀬直美(瀬は旧字体)監督を審査員長に迎え、第1回木下グループ新人監督賞で、241本の中から準グランプリに選ばれた作品。松本人志出演の「バイトするならタウンワーク」のCMやMVなどを多数手掛ける荒木監督の初の長編映画となる。
借金で首の回らなくなった主人公の蒼山(中村)が、衣食住が保証され、性の快楽を貪る毎日を送ることができ、出入りも自由だが、決して離れることはできないという謎の町の住人となり、奇妙な生活を送るさまを描く。石橋が演じるのは、妹を探して町の住人となった紅子。町に慣れていく住人とは違い、強い意思を持つ彼女に蒼山は惹かれていく。
荒木監督は、「石橋静河について言葉を探そうとすると、劇薬、爆弾、刃物。物騒な言葉しか思いつかない。本人は物騒とは程遠い、優しく可愛すぎる方なのだが、芝居となるとあまりの強度にそんな言葉ばかり浮かんでしまう」と普段と、エネルギーあふれる演技をする石橋にギャップがあると明かす。
石橋凌と原田美枝子を両親に持つ石橋は、現在26歳。クラシックバレエを4歳から始め、2009年から約4年間、アメリカとカナダでダンス留学をしていた。帰国後は、コンテンポラリーダンサーとして活動しつつ、役者としても頭角を現し始め、『きみの鳥はうたえる』(2018)では、第28回日本映画批評家大賞の主演女優賞を受賞。劇中で披露した透明感のある歌声が話題となった。
そんな彼女が、『人数の町』では、まっすぐで凛とした魅力あるヒロインに。荒木監督は「今回、笑顔・歌・踊り、彼女の必殺兵器3つを封じたことで、さらにその演技力が証明されてしまった」と絶賛し、「できれば内緒にしておきたいのですが」と付け加えていた。(編集部・梅山富美子)