濱田龍臣、もう20歳!転機は?名子役からの成長を振り返り
子役からキャリアをスタートさせた濱田龍臣が、8月27日に20歳の誕生日を迎えた。2010年のNHK大河ドラマ「龍馬伝」で坂本龍馬の幼少期を演じて注目を集めて以降、人気子役から期待の若手俳優へと成長を遂げてきた。映画、ドラマ、舞台など、活躍の幅を広げ続けている彼のキャリアを振り返ってみたい。
大河ドラマで坂本龍馬の幼少期に抜擢
2000年8月27日生まれの濱田。福山雅治主演の「龍馬伝」で主人公・坂本龍馬の幼少期を演じ、福山と「似ている!」と言われただけでなく、クセ毛風の髪型もかわいらしく、大きな話題に。母(草刈民代)を亡くし、一人前になろうと健気に頑張る姿が視聴者の心をわしづかみにした。福山とは2011年のダンロップのCMで共演が叶い、息ぴったりの様子を披露した。
「怪物くん」シリーズが大ヒット!
藤子不二雄(A)原作の漫画を実写化した2010年のドラマ「怪物くん」では、嵐の大野智演じる怪物くんが人間界で出会う少年・ヒロシにふんした。今年8月から再放送がスタートしてファンを歓喜させるなど、今なお衰えぬ人気を証明した同ドラマ。スペシャルドラマ版、そして『映画 怪物くん』(ともに2011)も製作され、興行収入31.3億円の大ヒットを記録(数字は日本映画製作者連盟調べ)。わがまま放題の怪物くんとヒロシが育んでいく友情も見どころで、濱田は大野と絶妙な掛け合いを見せていた。
2012年には水谷豊主演の『HOME 愛しの座敷わらし』、大ヒットシリーズの映画化『BRAVE HEARTS 海猿』にも出演。作家・西加奈子の小説を映画化したラブストーリー『きいろいゾウ』(2012)では、濱田が年上の女性への淡い恋心までを体現していたのも印象的。演じたのは、主人公のムコ(向井理)とツマ(宮崎あおい)が田舎で出会う不登校の少年・大地。ムコとツマの真っ直ぐさに触れ、前を向く強さをもらう大地だが、彼がツマとの別れ際にそっとラブレターを渡す場面は、ピュアさの際立つシーンとなっている。
トランスジェンダー役を好演
思い切ったチャレンジで、役の幅をグッと広げる機会となったのが、2016年の映画『ハイヒール革命!』。性同一性障害を乗り越えて10代の終わりに男性から女性へと生まれ変わった真境名(まじきな)ナツキの人生を、真境名本人へのインタビューパートと少年時代のドラマパートを交互に見せながら描く映画で、濱田はナツキの少年時代を演じた。当時16歳の濱田にとって、初のトランスジェンダー役。女子の制服を着て、メイクをして……と、ナツキがなりたい自分を見つけていくさまを演じ切った。
「HiGH & LOW」で見せたふり幅
そして「HiGH&LOW」シリーズの映画第二弾『HiGH&LOW THE RED RAIN』(2016)では『ハイヒール革命!』から一転、ワイルドな風貌で観客を惹きつけた。濱田は、雨宮兄弟、雅貴(TAKAHIRO)&広斗(登坂広臣)の兄で、今作で新たに登場した尊龍(斎藤工)の少年時代を好演。すっかり身長も伸び、チェーンのネックレス、オールバックの髪型、「拳は、大事なもんを守るために使え」と名ゼリフを放つシーンも実にクールだった。また東野圭吾による同名ベストセラー小説を映画化した『疾風ロンド』(2016)では、阿部寛ふんするしがない主任研究員・栗林和幸の息子・秀人役を務め、初のスノーボードにトライ。父親に反抗的な態度をとってしまう等身大の少年を演じた。
最大の転機となった「ウルトラマンジード」
あらゆる挑戦を続けてきた濱田だが、そんな彼の最大の転機と言えるのが、2017年7月スタートの「ウルトラマンジード」で主人公の朝倉リク/ウルトラマンジード役に抜擢されたことだろう。幼稚園の頃から「ウルトラマンになりたい」と夢見ていた彼にとっては、念願のオファー。『劇場版 ウルトラマンジード つなぐぜ!願い!!』のグランドフィナーレ舞台あいさつでは、シリーズとの別れを惜しみながら「僕は一生、ウルトラマンジード。朝倉リクとして、地球のみんなを守るために何歳になっても頑張りたいと思います!」と宣言した。「リクー!」との割れんばかりの声援を浴びて号泣する姿は観客の胸を打ち、もらい泣きする人の姿も。シリーズを通して「何倍も成長できた」という濱田。“夢は叶う”と身をもって経験したことは、これから大人の役者として歩んでいく彼にとって、大きな励みとなったはずだ。
2018年は、人気コミックを実写ドラマ化した「モブサイコ100」で主演を務め、「花のち晴れ~花男 Next Season~」ではセレブ軍団“C5”の一人で、学園歴代トップのIQの持ち主・平海斗役で存在感を発揮。近年は政界コメディー『記憶にございません!』(2019)で三谷幸喜監督作に初出演し、今年の7月から8月にかけて上演された三谷の舞台「大地(Social Distancing Version)」にも出演するなど、うれしい縁も実感。20代のスタートを切った濱田龍臣の行く先が、ますます楽しみだ。(成田おり枝)