一度断るも…ジェット・リー『ムーラン』出演は愛する娘のため
ディズニー実写版『ムーラン』に皇帝役で出演している俳優ジェット・リーが、「一度断った」という本作への出演経緯や、主演を務めるリウ・イーフェイとの再共演について語った。
『少林寺』『ドラゴン・キングダム』などに出演するなど、世界的アクションスターとして知られるジェット。『エクスペンダブルズ3 ワールドミッション』(2014)以来、約6年ぶりにハリウッド映画への出演を果たしたジェットだが、実は本作への出演を一度断っていたのだという。
「ディズニーは、世界中の観客に向けて20年近く前に(アニメーション)映画を作った。なぜ今『ムーラン』なの? なぜ(実写版)『ムーラン』を作る必要があるの? 最初から結末がわかるストーリーは新鮮じゃない。僕は、そういったものを作りたくはなかったんだ」
『ムーラン』への出演を一度見送ったが、愛する娘からの言葉がジェットの心を大きく動かした。「娘は『中国の文化を世界に普及することがお父さんの責務なのよね?』と質問してきたんだ。僕がそうだと答えると、次は『ディズニーが多額の製作費で、この映画を作ろうとしている。ムーランは中国の物語で、メインキャラクターも中国人よ。それって、中国文化を普及することにならない?』と続けた。その時娘は15歳だったから、僕は衝撃を受けたよ。そして彼女は『私のために、その映画作ってくれる?』と言ったんだ。僕は『イエス』と答えたよ」
ジェットふんする皇帝は、かつて武将として陣頭指揮を執り、侵略者から国を守った偉大な人物だ。国のトップとして君臨するキャラクターを演じるにあたり、ジェットはメガホンを取ったニキ・カーロ監督から「あまり顔に感情を出さないように」と指示を受けた。
「ニキ監督は『皇帝は良いニュースや悪いニュースを聞いても、それを表情にしないんです』と話していた。僕は『(皇帝に)エモーションを!』と提案してみたんだけど、監督は『ノー。ジェット・リーらしさはいらないの! 皇帝はじっと玉座にいる』と指示したよ」
主人公ムーランを演じるリウとは、アクション映画『ドラゴン・キングダム』(2008)で共演経験がある。リウを15歳の頃から知っていたジェットは、その当時から彼女が将来ビッグスターになることが予想できたという。33歳とすっかり大人の女性に成長したリウとの再共演に、ジェットは「ティーンエイジャーでフレッシュだった彼女が成長していて、とても嬉しいよ。セットにいる時、僕は『君はムーランだ。本当の自分らしくいなさい』と声を掛けてあげたよ」と感慨深げに話していた。(編集部・倉本拓弥)
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