『E.T.』は『未知との遭遇』の続編!スピルバーグ監督が明かす
豪華対談本「SF映画術 ジェームズ・キャメロンと6人の巨匠が語るサイエンス・フィクション創作講座」で、スティーヴン・スピルバーグ監督が映画『未知との遭遇』と『E.T.』の関連について語っている。
『未知との遭遇』と『E.T.』はどちらも、人類と異星人のコンタクトを描いた名作。キャメロン監督から「明らかに、『未知との遭遇』は『E.T.』につながっていた。『E.T.』は『未知との遭遇2』といっていいほど」と水を向けられると、スピルバーグ監督は「僕も同じように思っている」と明かす。だからこそ、スピルバーグ監督が『E.T.』の脚本を最初に持ち込んだのは『未知との遭遇』を配給したコロンビア・ピクチャーズであり、彼らが興味を示さなかったため、ユニバーサルに持っていったのだという。
もともと『E.T.』は「両親のせいで家族がバラバラになって、違う州に引っ越すことになったらどうなるか」というストーリーを書き始めたところから始まり、『未知との遭遇』で小さな灰色の宇宙人が母船から出てくるシーンを作っていた時に全てが一つになったのだという。スピルバーグ監督は「もしこの小さな宇宙人が宇宙船に戻らなかったら? 地球に置き去りにされてしまったら? 地上で迷子になり、ひとりぼっちになったら? 両親が離婚することになって心にぽっかりと大きな穴が空いた子供や家族が新しい宇宙人の親友を見つけ、彼が心の穴を埋めてくれるとしたら? 『E.T.』のストーリー全体は、『未知との遭遇』のセットの上でひとつの物語としてでき上がった」と振り返った。
スピルバーグ監督はこのほか、絵を描けば描くほど新たなアイデアが湧き出てくるという自身の創作術、スタンリー・キューブリック監督との友人関係と、彼からの深夜の大量FAXに悩まされた『A.I.』制作裏話をはじめ、名作誕生秘話も次々と明かしている。
同書にはスピルバーグ監督以外にも、ジョージ・ルーカス監督、リドリー・スコット監督、クリストファー・ノーラン監督、ギレルモ・デル・トロ監督、俳優アーノルド・シュワルツェネッガーというSF映画界の巨匠たちが登場。キャメロン監督とSF映画の過去・現在・未来について徹底的に語り合っている。(編集部・市川遥)
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