もうテネった?『TENET テネット』リピーター続出の中毒性
クリストファー・ノーラン監督の新作『TENET テネット』は、公開から1か月以上がたっても新たな観客に加え、リピーターを増産し続けている。
主人公の名もなき男(ジョン・デヴィッド・ワシントン)が人類を救うために時間のルールから脱出し、仲間のニール(ロバート・パティンソン)と共に未来で起こる第3次世界大戦を止めるべく奮闘する本作。1度観ただけではわからない世界観が逆に「理解したい」という欲求を生み、9月18日の公開から累計で140万人を動員、興行収入は22億円を突破している(数字は興行通信社調べ)。
SNSでは“テネる”というクセになりそうな言葉で本作を楽しむ人も多く見られ、中には鑑賞回数が10回を超える人も。時間の行き来がストーリーの把握をより難しくしており、違う視点から観たり、自分なりの考察をまとめるためにリピーターが多いことも本作ならでは。また、時間逆行の概念自体を楽しんでいる様子が伝わる動画やイラストの投稿も多い。
これだけ「難解である」という事前情報がありながらも、「ついに観た」と意を決して劇場に足を運ぶ人が途切れないのは、本物志向のノーラン監督による破格のアクションが見どころでもあるからだろう。その劇的体験が、「IMAXでも観たい」という2回目以降の鑑賞動機につながり、公開5週目の全国映画動員ランキングでも3位にランクイン。根強い人気を証明している。(編集部・小松芙未)