映画を愛する佐藤浩市、デートは「映画館しか行ったことない」
俳優の佐藤浩市が4日、丸の内TOEIにて行われた映画『サイレント・トーキョー』(公開中)の初日舞台あいさつに出席。東京が舞台となる作品にちなみ、東京のおすすめスポットを聞かれた佐藤は「デートは映画館しか行ったことがない」と発言し、登壇者を驚かせた。この日は、石田ゆり子、西島秀俊、中村倫也、広瀬アリス、井之脇海、勝地涼、波多野貴文監督も出席した。
『サイレント・トーキョー』は、秦建日子が名曲「Happy X-mas(War Is Over)」にインスパイアされた小説に基づくサスペンス。クリスマス・イブに東京で発生した連続爆破テロ事件に翻弄される人々を描く。
佐藤は「お恥ずかしい話ですが」と苦笑いを浮かべると、「60年生きてきて、デートは映画館しか行ったことがないんです」と発言。それだけ映画と共に歩んできた佐藤の人生。この日は、俳優生活40年を迎える佐藤に、共演者からさまざまな質問が投げかけられた。
メガホンを取った波多野監督から、「40年俳優をやってきて、心にとめている監督の言葉は?」と聞かれた佐藤は、23歳の時に出演した相米慎二監督作『魚影の群れ』(1983)での撮影に触れ、「監督から『ダメだダメだダメだ』と言われ、『なんでダメなんですか?』と聞いたんです。そうしたら『テメーで考えろ』って……その一言は忘れません」と回答する。
その後も、勝地の「壁にぶつかったときの乗り越え方」、井之脇の「もし役者をやっていなかったら」という真面目な質問が続くなか、広瀬が「好きな漫画はなんですか?」と聞くと、佐藤は拍子抜けしたように膝から崩れ落ちるも、「ジョージ秋山さんの『アシュラ』という漫画。少年誌に連載していたのですが、カニバリズムを描いた作品なんです」と真摯に回答。すると広瀬は「『渋谷金魚』がおすすめです。金魚が人を食べちゃうんです」と続け、佐藤に薦めていた。
また、佐藤が一番まともな質問が来ると構えていた石田から「女性の好きな仕草は?」と柔らかい質問が飛ぶと、佐藤は「せめてこういう質問は西島あたりまでにしてくれる?」と嘆きつつ「女性が女性っぽい仕草をしてもなんとも思わない。キレイに化粧をしているのに、音を立てて鼻をかんだりするのを見ると、人間ぽいなと思って惹かれてしまうんです」と真面目に答えていた。
新型コロナウイルスの感染が再拡大するなか、映画が初日を迎えた。佐藤は「明日がどうなるのかという状況下のなか、こうして公開ができてよかった」と安堵の表情を浮かべると、石田も満員の客席を見渡し「全員マスクをされていますが、よく来てくださいました。本当に感動しています」と感謝を述べていた。(磯部正和)