ミュージカル「ウィキッド」映画版の監督決定
ブロードウェイの大ヒットミュージカル「ウィキッド」映画版の監督が、映画『クレイジー・リッチ!』のジョン・M・チュウに決定したとDeadlineほか複数のメディアが報じている。
ミュージカル「ウィキッド」は、児童文学「オズの魔法使い」のアナザーストーリーとして構成され、作家グレゴリー・マグワイアの小説「ウィキッド 誰も知らない、もう一つのオズの物語」を基に手がけられた作品。オリジナル映画でドロシーに倒されてしまう西の悪い魔女エルファバを主人公に、彼女と南の良い魔女グリンダの知られざる友情を描く。
映画版は、映画『ラ・ラ・ランド』のマーク・プラットの制作会社が、ユニバーサル・ピクチャーズのもと2012年から企画していた。当初は『リトル・ダンサー』『めぐりあう時間たち』のスティーヴン・ダルドリー監督がメガホンを取る予定だったが、配給会社のユニバーサルがダルドリー監督が望むよりもスピーディーに制作を進めたかったこと、また、新型コロナウイルス感染拡大でロンドンに戻ってきたプロダクションが多くあったため、予定していた場所での撮影が不可能になったことなどから、昨年の10月に監督を降板していた。しかし、同時期に、Disney+が手掛けるテレビシリーズ「ウィロー」の撮影を、新型コロナウイルスの影響で撮影が延期していたことを理由に降板していたチュウ監督のスケジュールが空き、映画版『ウィキッド』でメガホンを取ることになった。
同ミュージカルは、アメリカ国内のツアーだけでなく海外でのミュージカル・プロダクションでも上演され、これまでおよそ6,000万人が鑑賞している。オリジナル・ブロードウェイ公演はトニー賞を3部門、ドラマ・デスク・アワードを6部門、キャスト・アルバムはグラミー賞を受賞している。(細木信宏/Nobuhiro Hosoki)