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仲野太賀『すばらしき世界』西川美和監督への尊敬の念が止まらない

トークイベントを行なった仲野太賀と西川美和監督
トークイベントを行なった仲野太賀と西川美和監督

 仲野太賀が5日、代官山・蔦屋書店で行われた映画『すばらしき世界』公開記念トークイベントに西川美和監督と2人で来場、本作を含め、共演の多い長澤まさみとの「信頼関係」について明かすとともに西川監督への思いを語った。

【写真】仲野太賀&西川美和が登壇『すばらしき世界』トークイベント

 佐木隆三の小説「身分帳」を原案に、『ゆれる』『ディア・ドクター』の西川が脚本と監督を手掛けた本作は、13年の刑期を終えた元殺人犯・三上(役所広司)の出所後の日々を描く。中学生のときに『ゆれる』を観て衝撃を受けて以来、仲野にとって西川監督は憧れの人だっただけに、今回のオファーは「信じられない気持ちでいっぱいでした」と振り返った。西川監督も、本作スタッフをはじめ、すぐに人の懐に入っていく仲野を「妖怪・人たらし」と評していたという。

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 「僕自身、中学生の時に『ゆれる』を観て、衝撃だったんですよね。それまでも日本映画が好きで観ていましたけど、日本映画はこんなに面白いんだという発見があった」と振り返る仲野。「仲が良かった染谷将太と『ゆれる』の話をしていました。特にラストシーンの香川(照之)さんの芝居に度肝を抜かれて。いまだに『ゆれる』のラストカットは、邦画史上に残る名ラストカットだったなと思います」と語るなど、西川監督への尊敬の念があふれ出る。

 それゆえ、どうしても西川作品に出演したかったそうで、仲野はつてをたどって2010年に西川監督が手がけたNHKドラマ「太宰治短編小説集/駈込み訴え」にセリフのない端役として出演したことも。その時のことを「(カメラから)100メートル先(の西川監督)にラブコールを送っていたと思います。僕はここにいますって」と笑いながら述懐。西川監督もその時の仲野の様子が印象に残っていたという。

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 仲野が演じるテレビディレクター津乃田はニット帽にメガネ、ヒゲという風貌をしており、西川監督によるとイメージは『マイ・バック・ページ』『リンダ リンダ リンダ』の山下敦弘監督だったそう。仲野も「実は衣装合わせの日にビルのエレベーターが開いたら山下監督がいたのであいさつをしてすれ違って、そのまま西川さんのスタッフルームに入って。衣装合わせを始めたら、どんどん山下さんの風貌にそっくりになってくる。さっきすれ違った人にそっくりになってるのはどういうことだと思っていたら、西川さんが『実は山下さんをイメージしています』と教えてくれたんです」とコメント。

 西川監督は「なんか山下さんって独特なイメージで。一見、小心者のように見えて実は大胆で。人の神髄に入っていく感じ。一挙手一投足がコミカルで独特な魅力がある。山下さんも(太賀同様)人たらしだと思うし、そういう感じを出したかったんです」と明かした。

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 そんな津乃田に仕事を依頼するやり手のTVプロデューサー吉澤役は長澤まさみ。仲野とはCM、映画など数々の共演歴がある。「長澤さんに関しては、僕としてもとても強い縁を感じますし、すごく信頼も置いていただいているなという自覚もあって。僕も信頼していますし、長澤さんだったら姉弟もできるし上司も部下もできるし、信頼関係のもと、いろんな役が無限にできるなという風に思っていて。すごく長澤さんとの現場は楽しいですね」と仲野は振り返った。

 その言葉を聞いた西川監督も「わたしも知らなかったんですけど、実はキムラ緑子さんと役所さんって、お互いに共演が一番多い俳優だとおっしゃっていて。それであのお芝居じゃないですか。二人の(本作での共演)シーンが本当にいいシーンだったんですよね。そういう意味では、長澤さんと太賀くんもそういう風になるかもね」とコメント。仲野も「なったらいいですね」と返答した。

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 ちなみに2月7日は仲野の誕生日。そこで西川監督は仲野にサプライズで、上田義彦ソール・ライターという2人の写真家の本をプレゼント。そのプレゼントに「うわぁ、うれしい」と感激した様子の仲野に、会場からは祝福の拍手が送られた。(取材・文:壬生智裕)

映画『すばらしき世界』は2月11日より全国公開

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