『アントマン』降板のエドガー・ライト、ついにケヴィン・ファイギと友達に戻る
脚本執筆から8年間携わったものの“創造上の見解の相違”でマーベル映画『アントマン』から電撃降板したエドガー・ライト監督が、ついにマーベル・スタジオ社長のケヴィン・ファイギと友人関係に戻ったという。ライト監督がEmpire誌のポッドキャスト番組でうれしそうに明かした。
ライト監督は2014年、キャストも決定した段階で同作から突如として降板することに。マーベル・スタジオはその後、監督にペイトン・リードを、脚本家にアダム・マッケイを雇って映画を完成させ、2015年に公開した。長年かかわった企画を手放すのはライト監督にとって非常につらい経験だったようで、2017年のUPROXXのインタビューでは、『アントマン』は観ていないし、これからも観るつもりはないと語っていた。
実際、2014年に降板してからはファイギと一切口をきいていなかったというライト監督。「別に僕たちの間に、強い憎しみや敵意があったというわけじゃないんだけどね。単に外交上の問題だった。だけど別の道を進んだら、また連絡を取り始める理由もなくて。だから僕は彼と話さなかったし、彼もそうだった。あの映画を別にすれば僕たちは友人同士だったから、悲しいことだった。仕事の面を別にすれば、僕たちはいい友達だった」
しかし、コロナ禍で苦境にある映画と映画館を応援すべく、ライト監督がEmpire誌で「最高の映画館での瞬間」特集を組むことになったことをきっかけに、再びファイギとつながる機会がやってきた。ライト監督は「読者にTwitterで“最高の映画館での瞬間”を聞いてみたら、キャプテン・アメリカが『アベンジャーズ/エンドゲーム』で(ソーの)ハンマーをキャッチするシーンや、『アベンジャーズ』でハルクがロキを投げつけるシーンを挙げる人たちがいて、『ブラックパンサー』についても多くの人たちが言及していた。だから、あの“Mワード”(=マーベル)に触れることなしにこの記事を作るのは、不誠実だと思ったんだ」と笑って明かす。
「それで僕は、6年間やっていなかったことをやった。ケヴィン(・ファイギ)にメールしたんだ。それは本当にすてきなことだったよ。ケヴィンは僕がただ『ヘイ』って直接連絡したことに本当に感動してくれて。6年間一切連絡していなかったのに、突然『ケヴィン、僕のために原稿を書いてほしいんだ。明日までに!』とメールしちゃったんだけどね(笑)。僕たちはこの記事のおかげでまたつながれて、それはとてもスウィートだった。連絡できてとても良かったし、彼が僕からの連絡に本当に感動してくれてすごくうれしかった」とライト監督。「だからこの物語は、すてきなハッピーエンドなんだ」と語っていた。
ライト監督の新作『ラスト・ナイト・イン・ソーホー(原題) / Last Night In Soho』は、ロンドン舞台のサイコロジカル・スリラー。コロナ禍で米公開は今年10月まで延期となっている。(編集部・市川遥)