藤原竜也「鳩の撃退法」映画化で謎の天才作家役 共演に土屋太鳳、風間俊介、西野七瀬、豊川悦司
直木賞作家・佐藤正午の小説「鳩の撃退法」が、藤原竜也主演で映画化されることが25日、明らかになった。藤原が演じるのは、かつて天才として名を馳せた小説家。彼が執筆する小説と現実の世界、過去と現在が交錯するストーリーで、特報では同じ画面に2人の藤原が登場。共演に土屋太鳳、風間俊介、西野七瀬、豊川悦司ら。監督を、映画『ホテル ビーナス』(2004)やドラマ「黒い十人の黒木瞳」シリーズなどのタカハタ秀太が務め、全編富山ロケを敢行。8月27日全国公開予定。
原作は、これまで原田泰造主演映画『ジャンプ』(2003)、戸田恵梨香主演のNHKドラマ「書店員ミチルの身の上話」(2013)など度々著書が映像化されてきた佐藤の、累計発行部数16万部を突破するベストセラー小説。富山の小さな街で経験した出来事に基づく新作を執筆中の元直木賞作家の津田と、それを読む担当編集者の鳥飼。鳥飼は、津田から小説に書かれた「大量の偽札」「囲いを出たハト」「一家失踪事件」「裏社会のドン」といった話を聞くうちに、小説の内容が現実なのか虚構なのか翻弄されていく。
謎めいた作家・津田を演じる藤原は、現在主演ドラマ「青のSP(スクールポリス )-学校内警察・嶋田隆平-」(カンテレ・フジテレビ系)が放送中、主演映画『太陽は動かない』の公開を3月5日に控える。藤原は、いくつもの謎がちりばめられた本作に「撮影中はどんな映画になるのだろうと想像もつきませんでしたが、完成した映像を観たとき、「こうやって表現するのか!」とタカハタ監督の手腕に驚くと同時に、演じていた僕自身も主人公・津田が仕掛ける『現実と小説』が入り混じる世界観に引き込まれました」とコメントしている。
津田に翻弄される担当編集者・鳥飼役に、主演映画『哀愁しんでれら』が公開中、映画『るろうに剣心 最終章 The Final』の公開を4月に控える土屋太鳳。ある日突然家族と共に姿を消したバーのマスターに、大河ドラマ「麒麟がくる」の徳川家康役も記憶に新しい風間俊介。映画出演は『後妻業の女』以来約5年ぶりとなる。津田の行きつけのコーヒーショップ店員に、ドラマ「あなたの番です」(2019)や「アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋」(2020)などの西野七瀬、彼らが暮らす地方都市の裏社会を仕切る男に、昨年ハリウッド映画『ミッドウェイ』の山本五十六役で話題を呼んだ豊川悦司がふんする。
脚本は、映画『るろうに剣心』(2012)や『見えない目撃者』(2019)などの藤井清美。タカハタ監督と共同で脚本を手掛ける。
キャスト、原作者、監督のコメントは下記の通り。(編集部・石井百合子)
映画『鳩の撃退法』は8月27日全国公開
藤原竜也/主人公・津田伸一(つだ・しんいち)役
撮影中はどんな映画になるのだろうと想像もつきませんでしたが、完成した映像を観たとき、「こうやって表現するのか!」とタカハタ監督の手腕に驚くと同時に、演じていた僕自身も主人公・津田が仕掛ける【現実と小説】が入り混じる世界観に引き込まれました。タカハタ組の優秀なスタッフ、豪華な共演者の皆さま、そして全編通してロケをさせていただいた富山県の皆さまに心から感謝したいと思います。今作で演じるのは【天才小説家】という役柄になりますが、僕の執筆する小説が観客の皆さまを『鳩の撃退法』の世界に引き込み、巻き込んでいけるか、とても楽しみです。
土屋太鳳/鳥飼なほみ(とりかい・なほみ)役
この動揺と興味と感動は鳥飼なほみとしての感情なのか、それとも津田さんを演じる藤原竜也さんの演技を凝視出来る土屋太鳳としての感情なのか...佐藤正午先生の原作に翻弄された感覚のまま、痛快に突っ走った撮影の日々でした。藤原竜也さんには16歳の時に撮影所の片隅でご挨拶したことがあり、数年後「這い上がってきたなぁ」とおっしゃっていただきましたが、さらに這い上がって、やっと直接、演技をご一緒出来ました。感動です!
風間俊介/幸地秀吉(こうち・ひでよし)役
『物語』という概念を、根底から覆すような作品です。誰かが頭の中で思い描く『物語』、現実にあった出来事を語り継ぐ『物語』。この映画は、そのどちらか、将又、そのどちらでも無いのか。答えは、出演した僕にも分かりません。僕が演じた役は、そこにいるのか、もしくは、小説家の頭の中の存在か。人々が遥か昔から愛してきた『物語』という概念を揺さぶる『鳩の撃退法』是非、劇場でご覧ください。
西野七瀬/沼本(ぬもと)役
クランクインの日、とても緊張していました。現場に入ってみると、キャスト・スタッフの皆さんが温かく迎えてくださり、シーンを重ねるごとにどんどん現場が楽しくなっていき、今回こうして沼本として皆さんとご一緒させていただけたことが嬉しかったです。全編富山ロケで、あるときは私自身山脈に癒されながら撮影したこともあったりして、そういった空気感もスクリーンから伝わったらいいなと思っています。ぜひ楽しみにしていただけたらと思います。
豊川悦司/倉田健次郎(くらた・けんじろう)役
「本通り裏の男」というシビれるような役をもらって、イカした毛皮のコートを羽織り、雪降る富山の夜を闊歩した。もう充分にカッコよくて、涙がチョチョ切れた。「ワル」を演じるのは喜びだ。これほど面白いストーリーの中では特にね。
原作者:佐藤正午
あちこちに仕掛けがあって、決して単純ではないはずなのに、ストーリーの流れに気持ちよく乗せられてしまう。この映画を見ていると、ウソとホントの境界線がだんだんと消えていって、「どこでもドア」のように、両方の世界を登場人物が自在に行ったり来たりする。見終わってそれが自然に思えるのは、小説でいえばキモの文体、この映画の俳優陣の魅力に拠る所が大きいのではないでしょうか。これでおまけに本が売れれば、原作者としても文句のつけようがありません。
タカハタ秀太監督
担当編集者「津田さん、書いちゃいけないことを書いてるんじゃ?」津田「小説家が書いちゃいけないことって何だ?」恐らく書いてはいけないことを書いている小説家・津田伸一。それは、ある家族の失踪事件を解決するサスペンスなどではない。小説家は結末を変える。しかしそれが嘘か現実か、決めるのは皆さんです。そして、小説家は何故『鳩の撃退法』というタイトルを思いついたのか、そこも考えてみてください。