篠原ゆき子、主演映画『ミセス・ノイズィ』3カ月越えロングランに感謝
俳優の篠原ゆき子と新津ちせが6日、渋谷のユーロスペースで行われた映画『ミセス・ノイズィ』ロングラン記念舞台あいさつに出席し、3カ月以上のロングランヒットへの感謝を述べた。この日は、共演者の長尾卓磨、宮崎太一、天野千尋監督も来場した。
スランプに陥った小説家・吉岡真紀(篠原)と、騒音を巻き起こす隣人とのご近所トラブルが、世間を巻き込んだ大騒動となるさまを描く本作は、2020年12月4日に初日を迎えてから、伊集院光、松尾貴史、鈴木おさむといった著名人の絶賛の声や観客の口コミなどが広がり、ロングランヒットを記録中。この日から劇場をユーロスペースに移し、あらためて上映が続くこととなった。
天野監督は「冬の初めに公開が始まったのですが、こんな季節まで上映していただけるとは。はじめは想像していませんでした。これも口コミの力ですね。本当に感謝しています」と感激の表情。さらに篠原が「閉店セールのように、そろそろ終わると言いながら、3カ月続きました。今日は楽しんでいただけましたでしょうか?」と会場の観客に問いかけると、大きな拍手。その様子に笑顔を見せる登壇者たちだった。
篠原は、SNS炎上といった要素を内包した本作への出演を「なんだかドキュメンタリーみたいでした」と振り返る。「わたしも世間からたたかれたりすることがありますけど、そういう意味では、予知夢のような映画でしたね」と続けると、「映画の口コミサイトなどを見ると、(篠原演じる)真紀はムカつく女だと書かれていて。(台本が)当て書きだと言われたので、落ち込んでいます」と苦笑い。ご近所トラブルにどこか他人事な夫を演じた長尾も「僕も(観客からたたかれる気持ちは)わかります」とボヤいてみせて、会場を笑わせた。
一方、真紀の娘・菜子を演じた新津は、今年の抱負を尋ねられ、「いろんな役で、今までできなかったことにチャレンジするのが好きです」と切り出すと、「もともと臆病で、これをやったら怒られるかなと思うような性格なんですけど、(映画で演じた)なっちゃんは自分のやりたいように、おもちゃをガッシャーンとしたり、白い壁に落書きしたりする役。それを通して、わたしも大胆な性格になれたなと。これからもまわりの方に感謝しながらも、いろんな役にチャレンジしたいと思います」としっかりとしたコメントを残していた。
篠原とは旧友だという天野監督は、次回作について2人で話すこともあるようで、「わたしは社会のちょっと悪い、グレーな人に興味があります。一見、普通の女たちが悪巧みをするんですが、それぞれに正義があり、生きざまがあり……といった作品を撮りたいねと言っています」と構想を明かしていた。(取材・文:壬生智裕)
映画『ミセス・ノイズィ』は全国公開中