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浅野いにお「うみべの女の子」映画化 石川瑠華&青木柚W主演で中学生の恋と性描く

原作書影とダブル主演の石川瑠華(上)、青木柚(下)
原作書影とダブル主演の石川瑠華(上)、青木柚(下) - (C)2021『うみべの女の子』製作委員会

 「ソラニン」「おやすみプンプン」「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」などの浅野いにおによる漫画「うみべの女の子」が、石川瑠華青木柚のダブル主演により実写映画化されることが26日、明らかになった。石川は憧れの先輩にフラれて傷心の中学生に、青木はかつて彼女に思いを寄せていた内向的な同級生にふんし、恋と性に悩み、もがく思春期の少年少女が描かれる。共演に、前田旺志郎中田青渚倉悠貴村上淳ら。浅野の原作漫画が映画化されるのは、宮崎あおい主演の『ソラニン』以来、約11年ぶりとなる。8月20日公開予定。

【写真】浅野いにお原作×宮崎あおい主演の映画

 本作は、海辺の小さな街を舞台に、失恋した中学生の小梅(石川瑠華)が、かつて自分のことを好きだと言ってくれた同級生・磯辺(青木柚)と関係を持つも、互いの気持ちがすれ違っていくさまを追う物語。磯辺と興味本位で関係を持つうちに徐々に彼への想いを募らせる小梅、小梅に恋焦がれていたはずが関係を断ち切ろうとする磯辺。二人の気持ちはすれ違ったまま、磯辺は過去にイジメを苦に自殺した兄への贖罪から、ある行動に出る。

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 主演の石川と青木は、原作者・浅野も審査に参加したオーディションを経て役を射止めた。石川は『イソップの思うツボ』(2019)で主演に抜擢され、今後も主演映画『猿楽町で会いましょう』(6月4日公開)が待機中。青木は『14の夜』(2016)、『アイスと雨音』(2018)、『サクリファイス』(2020)に出演し、4月スタートのNHKよるドラ「きれいのくに」への出演も決定している。

 小梅の同級生役に、連続テレビ小説「おちょやん」の身寄りのない少年役も話題の前田旺志郎と、今泉力哉監督の映画『あの頃。』『街の上で』が立て続けに公開される中田青渚。小梅をフる三崎先輩に、池田エライザの監督デビュー作『夏、至るころ』で主演を務め、「おちょやん」のヒロインの弟役で注目を浴びた倉悠貴。磯辺の父親を村上淳が演じるほか、宮埼優(崎は「たつにさき」)、高橋里恩(高は「はしごだか」)、平井亜門円井わん西洋亮高崎かなみが出演する。

 監督は、『リュウグウノツカイ』(2013)、『桜ノ雨』(2015)などの気鋭の映像ディレクター・ウエダアツシ。劇伴音楽を「world‘s end girlfriend」が担当。挿入曲として、原作にも登場する、はっぴいえんどの「風をあつめて」を起用し、クライマックスの暴風雨のシーンを盛り上げる。

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 原作者・浅野、ウエダ監督、主演の石川、青木のコメントは下記の通り。(編集部・石井百合子)

映画『うみべの女の子』は8月20日より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか公開

浅野いにお(原作者)
 「小梅」と「磯辺」が確かにそこにいます。より生々しく、より切実に。10代の瞬きにノスタルジーを感じながらも、今現在の自分がその延長線上にいるということを再認識させてくれる作品でした。そういえばいつだったか自分も、あの街の「小梅」であり「磯辺」だったのです。

ウエダアツシ監督
 およそ10年前、天才・浅野いにおの手で産み落とされた、濃厚濃密“青春の坩堝”のような傑作を、人との距離が少し遠くなってしまった今、映画化出来たことに運命を感じます。近くて遠く、自由で不自由、諦めているけど欲しかったあの頃。矛盾する感情の狭間で、性と愛に溺れ、過去と未来に縛られるふたり。この難題に若き才能、石川瑠華・青木柚と共に誠実に向き合い、果敢に挑み、行き着いた答えがスクリーンには映っています。はっきり言って自信作です。残酷なまでに輝かしいふたりの青春を是非劇場でご覧ください。

石川瑠華
 最初、浅野いにおさんの漫画『うみべの女の子』を映画化するというお話を聞いたとき、衝撃を受けました。でも、これは可能性でもあり、この素晴らしい原作を映画で伝えられたら、もっと素晴らしいのではないかと思うようになり、オーディションに参加しました。私自身、大好きな作品であり、小梅としてこの作品の中で生きた時間は本当に幸せでした。同時にこれまで感じたことのない大好きだからこその怖さも感じていました。ウエダアツシ監督とは初めてだったので何度も作品について話し合いました。私は、監督が暖かく包み込むような優しさで小梅や磯辺はもちろん、この作品に出てくる登場人物、そしてこの作品を愛していることを感じました。どんな恋愛映画や青春映画の型にもハマらないパワフルな映画になっていると思います。是非、公開を楽しみにしていただけたら嬉しいです。

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青木柚
 今も尚多くの人に愛されている原作にこのような形で携わる事が出来るのはとても光栄であり、同時に不安でもありました。ですが磯辺という人間を知れば知るほど、その考え方や心情にどこか他人とは思えないようなシンパシーを感じ、何がなんでも磯辺を最後まで生き抜きたいと強く思うようになりました。浅野さんが描く生々しく繊細な世界、石川さんを通して伝わってくる小梅の葛藤、この原作を背負ったウエダ監督の思い、その全てが僕と磯辺を結びつけ、支えてくれました。多くの方々と共に心血を注いで取り組んだ作品です。

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