『WAVES/ウェイブス』監督の実体験に基づく壮絶な家族ドラマ、悲願の公開決定
『イット・カムズ・アット・ナイト』『WAVES/ウェイブス』などのトレイ・エドワード・シュルツ監督の長編デビュー作『クリシャ』が、2度の公開延期を経て1年越しに4月17日よりユーロスペースで公開される。
本作は、シュルツ監督の実叔母と親族との軋轢、薬物・アルコール中毒者でもあった父親との実体験をベースにした家族ドラマ。主人公のクリシャ(クリシャ・フェアチャイルド)をはじめ監督の親族が多く出演し、監督自身もクリシャの息子トレイを演じている。同作はカンヌ国際映画祭批評家週間オフィシャルセレクションに選出されたほか、SXSW映画祭では審査員特別賞と観客賞を受賞。アメリカン・インディペンデント・フィルムでは作品賞や監督賞を含めて5冠に輝くなど、数々のインディペンデント映画祭を席巻した。
本作は、当初2020年4月17日に公開を予定していたが新型コロナウイルス感染拡大を受け延期に。その後、7月17日の公開予定が、予定していた映画館でのハラスメント問題を受けて見送りに。配給の Gucchi's Free School は悲願の公開決定に「『クリシャ』はタイミングを逸してしまったり(『WAVES/ウェイブス』に合わせての上映を狙っておりました)、映画とは本来関係のない事柄で話題になってしまったりと、不本意ながら非常に取り扱いが難しくなってしまった作品だと思います。にもかかわらず、ロードショーを受け入れてくださったユーロスペースさんには感謝しかございません」と上映劇場に感謝を述べている。(編集部・石井百合子)