「テニスの王子様」声優・永井幸子、氷帝vs立海の幸村精市は「素の姿」
この10月に20周年を迎えるアニメ「テニスの王子様」で幸村精市役を務める声優の永井幸子が、「新テニスの王子様 氷帝vs立海 Game of Future」(U-NEXT配信)で表現した、これまでとは違う幸村の姿や、長年演じるうえで大切にしてきたことを明かした。
アニバーサリーイヤーを目前に制作された本作では、漫画「テニスの王子様」の作者・許斐剛によるマッチメイク完全監修のもとオリジナルストーリーが展開。跡部景吾率いる氷帝学園中等部と幸村率いる立海大附属中学校という、原作にもない強豪校同士の対戦が実現した。
大きな注目ポイントは、連載中の「新テニスの王子様」が描くU-17W杯(アンダーセブンティーンワールドカップ)が終わった後の物語であること。U-17W杯の最中、幸村は、長きにわたり苦しめられた病の完治を知り、熾烈な勝負の中でライバルや自分自身と向き合うことで、精神面で大きな変化を経ている。永井は「ずっと幸村の心の枷であっただろう『病気』が完治したことを知るというシーンが原作にあり、それを経た今回、テニスや仲間に対して、幸村の素の姿で接しているように感じました」と本作の時間軸における幸村の姿を受け止める。
「幸村が前篇でも笑顔を多く見せているのが印象的で、これまでのどこかギリギリで切実な『勝利への執念』というよりは、純粋に勝ちを取りにいく幸村の少年らしさや、だからこその強さや怖さが出せたら……と思っていました」
そう“U-17W杯後の幸村”を表現するために意識したことを明かす永井は、「アフレコでは、目の前の相手や事象に対して素直に言葉を発するように導いて頂き、幸村が今までよりも気持ちを表に出すようになったのを実感しました」と変化を語る。
前篇のアフレコでは、真田弦一郎役の楠大典、柳蓮二役の竹本英史という立海の“三強”がそろうことができた。「まだ後篇の結果を知らない状態だったので、お二人と『どっちが勝つんだろうね』『やっぱり勝ちたいね』とお話したのを覚えています。『常勝』を掲げつつも、関東大会も全国大会も涙を呑んだ立海なので」
20年近く寄り添ってきた幸村は「人生においてかなり重要な存在であることは間違いないです」と明かす永井。演じるうえで、大切にしてきたことを聞くと、「手術前の『俺からテニスを取ったら何も残らない。テニスは俺自身さ』という台詞がとても印象に残っていて、穏やかだったり厳しかったり、花が好きだったり五感を奪ったり冗談を言ったり、いろんな面を見せる幸村ですが、いつだって『一番大事なのはテニス』であるのがやはり軸だと思っています」と打ち明けた。(編集部・小山美咲)
アニメ「新テニスの王子様 氷帝vs立海 Game of Future」前篇はU-NEXTにて独占配信中 後篇は4月17日配信スタート