錦戸亮、ジャニーズ退所後初の映画出演 リリー・フランキー主演の日英合作映画で
錦戸亮が、日英合作の映画『コットンテール / Cottontail(英題)』に出演することが1日、明らかになった。本作は亡き妻の願いをかなえるためにイギリス北部の湖水地方へ旅立った主人公とその息子一家の再生を描く物語で、錦戸が演じるのは主人公と疎遠になっていた息子。錦戸にとって2019年9月末にジャニーズ事務所を退所して以来、初の映画出演となる。主人公にリリー・フランキーがふんするほか、木村多江、高梨臨が出演。英国人キャストに『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』のキアラン・ハインズ、『ワイルド・ローズ』のジェシー・バックリーら。コロナ禍で撮影が延期されていたが、今年初夏に日本での撮影からスタートし、2022年の公開を予定している。
タイトルの「コットンテール」とは、作家ビアトリクス・ポターの名作「ピーター・ラビットのおはなし」に登場するピーターの3匹の妹のうち一匹の名前。物語は、主人公・健三郎(リリー・フランキー)が、妻・明子(木村多江)の葬式で、疎遠になっていた一人息子のトシ(錦戸亮)、その妻さつき(高梨臨)、孫のエミと再会するところから幕を開ける。明子の遺言状に、イギリスのウィンダミア湖に散骨して欲しいと書かれていたことから、健三郎とトシ一家は明子の願いを叶えるためイギリス北部の湖水地方へ旅立つ。
監督・脚本のパトリック・ディキンソンは早稲田大学に留学経験があり、多くの日本映画に触れるなかでキャスティングに臨んだという。主演のリリー・フランキーを「今を代表する素晴らしい俳優の一人」と評し、「彼が役柄にこめる繊細で人間らしい演技には、毎回驚かされますし、これこそが彼が特別な存在感を放つ理由だと思っています。今回『コットンテール』という愛の物語でリリーさんと一緒に作れる事をとても楽しみにしていると同時に、世界中の人々の心に触れる美しい映画にしていきたいと思っています」とコメント。
錦戸の起用については、彼が主演を務めた2017年の映画『羊の木』を例に挙げながら「錦戸亮さんは、演じる役の感情に観客を引き込む事が非常に上手な俳優さんです。『羊の木』での亮さんのお芝居で僕は、どんどん彼の役の感情に引き込まれ、忘れられない映画体験をさせて頂きました。才能豊かな亮さんの演技の幅広さと奥深さを『コットンテール』で皆さんにも体験して頂ける事を嬉しく思っています」と述べている。
プロデュースと世界セールスを担当するのは、『あなたを抱きしめる日まで』『ある公爵夫人の生涯』などを手掛けるウエストエンドフィルムズ。撮影監督は『ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣』(2016)のマーク・ウルフ。イギリスではロンドンで撮影が行われる。
パトリック・ディキンソン監督、プロデューサーのカブリエル・タナのコメント全文は下記の通り。(編集部・石井百合子)
パトリック・ディキンソン監督
リリー・フランキーさんは、今を代表する素晴らしい俳優の一人です。彼が役柄にこめる繊細で人間らしい演技には、毎回驚かされますし、これこそが彼が特別な存在感を放つ理由だと思っています。今回『コットンテール』という愛の物語でリリーさんと一緒に作れる事をとても楽しみにしていると同時に、世界中の人々の心に触れる美しい映画にしていきたいと思っています。
錦戸亮さんは、演じる役の感情に観客を引き込む事が非常に上手な俳優さんです。『羊の木』での亮さんのお芝居で僕は、どんどん彼の役の感情に引き込まれ、忘れられない映画体験をさせて頂きました。才能豊かな亮さんの演技の幅広さと奥深さを『コットンテール』で皆さんにも体験して頂ける事を嬉しく思っています。
木村多江さんが日本アカデミー賞を受賞された『ぐるりのこと。』でのお芝居を拝見して、本当に素晴らしいと感じました。多江さんは偽りのない真の感情を見事に表現していて、僕は何度も泣かされました。多江さんの、この“真に迫るもの”こそが、観客の心の奥深くまで響き、感動を与える理由だと思っています。多江さんと一緒に『コットンテール』という愛の物語で、彼女の才能を映像化できる事が楽しみです。
高梨臨さんのカンヌ国際映画祭に正式招待された『ライク・サムワン・イン・ラブ』でのお芝居は本当に秀逸でした。臨さんは役柄を、希望や恐怖心などを抱え持つ人間味あふれる存在として見事に演じ、私は、彼女に特別な才能を感じました。幸運にも臨さんがキャストに加わって下さった事で、『コットンテール』をご覧になった方々は、きっと彼女の細やかな感情あふれるお芝居で心を動かされる事だろうと思っています。
カブリエル・タナ(プロデューサー)
パトリック監督の脚本の元に、こんなにも素晴らしい俳優さんたちが集った事を大変嬉しく思っております。この美しい物語を映画としてこれから皆さんと作れる事を、製作者一同楽しみにしております。素晴らしい監督や役者やスタッフとともに、この愛の物語は、言葉も国籍も越え、多くの方々の心に響く作品にしていきたいと思っています。