朝ドラ「ちむどんどん」ヒロイン家族のキャスティング理由をP明かす!
黒島結菜がヒロインを務める2022年前期の連続テレビ小説第106作「ちむどんどん」の新キャストが発表され、ヒロインの両親役に仲間由紀恵、大森南朋、そして兄妹役に竜星涼、川口春奈、上白石萌歌の出演が決定。制作統括を務める小林大児プロデューサーがオンラインで行われた合同取材会に出席し、そのキャスティングの理由について明かした。(以下、本編の内容に触れています)
【写真】「ちむどんどん」ヒロインの家族演じるキャストたち!【写真】
沖縄が本土復帰50年を迎える2022年に放送予定の本作。黒島演じるヒロインの比嘉暢子は、沖縄で生まれ育った四兄妹の次女。沖縄の本土復帰と共に上京し、西洋料理のシェフを目指して修業し、やがて東京で沖縄料理の店を開くため奮闘する。四兄妹の50年の歩みを見つめる家族とふるさとの物語となる。
今回発表された比嘉家のイメージとしては、ヒロインを黒島で、ということになった際に、四兄妹でやりたいという思いがあったそうだ。「日本で言えば『細雪』、海外で言えば『若草物語』。朝ドラだと『てるてる家族』とか。四人のきょうだいの物語は、理屈を超えた人とひととのきずなを描いた名作が多いので、そこを意識した」と切り出した小林プロデューサーは、「ただ一番上の子だけは男性にして。少し彩りをつくりたいと思い、今回は男ひとり、女3人の兄妹となりました」と明かす。
さらに母親役の仲間のキャスティングについては「沖縄の本土復帰50年ということで流すドラマでもありますし、本土復帰というドラマも描きたいということで。お母さんが生きてきた歴史を体現する人物がいいなと思ったときに、これは仲間由紀恵さんしかいないよねという話になりました。NHKでも大河ドラマで主演をしていただき、NHKを背負っていただいたこともありますし、沖縄を表現するのに最高のキャスティングだと思います」と続ける。
また父親はある段階で急逝することとなる。そのことも含めて、家族にとって父親が残したものが鮮烈であってほしいという思いから、大森にオファー。「大森さんが大家族のお父さんをどう演じるのか見てみたいという期待もあった」という小林プロデューサーは、朝ドラ初主演であるという大森に対して「僕も本人に出ていなかったんですかと聞いたんですが、『出ていないんです。出たいなとは思っていたですけどね』という軽いおしゃべりをしました。基本的に大森さんはハードな役だけでなく、最近では民放のドラマでとても柔らかい役をやっているので、ご本人にとってもいいタイミングだったんじゃないかな」と述べた。
さらに四兄妹のキャスティングについて解説。トラブルメーカーなところのある長男の賢秀役の竜星について「ドラマ『昭和元禄落語心中』でご一緒して。その中で竜星さんは非常に明るく、型破りなキャラクターを演じてくれた。今回は違うキャラクターになると思いますが、竜星さんなら僕らが考えているトラブルメーカーで、でも優しいニーニーを演じてくれるんじゃないかなと思います」と期待を寄せる。
さらに長女の良子を演じるのは連続テレビ小説初出演となる川口。「長女はキャラクターとしては真面目で、不器用な愛情に秘めている人にしたかった。川口さんは大河ドラマの『麒麟がくる』でも印象的なお芝居をしていて。真面目なだけでなく、不器用さがあったり、ユーモアがあったり。お母さんと違って、優しいだけでなく、ぶつかっていくこともある。未成熟な、固いものを残した魅力的なお姉さんにピッタリじゃないかなと思った」という。
さらに歌好きで、シャイで病気がちな末娘・歌子を演じるのは、こちらも連続テレビ小説初出演となる上白石。「当初から妹は歌を歌うのが大好きな方にしたいなと。それと病気がちで弱い分、透明感という面も含めて、上白石さんがいいということになった。4人の兄妹の年齢的な面でもそれほど議論することもなく決まりました。こういう一家にするとドラマとしていいんじゃないかということで、皆さんにオファーしました」という。
今回のキャスティングについては「脚本家の羽原(大介)さんら演出家らと役柄について話す中で自然と候補者が出てきた」と自負する小林プロデューサー。今後のドラマについても「おいしいものを大切な人と食べると、人は笑顔になる、というテーマで描きたい」と意気込んでみせた。(取材・文:壬生智裕)
NHK連続テレビ小説第106作「ちむどんどん」は2022年春放送予定