中村佳穂、細田守監督『竜とそばかすの姫』主人公の声に抜擢!初芝居で歌唱も披露
細田守監督の新作『竜とそばかすの姫』(7月16日公開)で主人公の女子高生すず/歌姫ベルの声を、ミュージシャンの中村佳穂が務めることが2日、明らかになった。同日放送された日本テレビ系バラエティー番組「1億人の大質問!?笑ってコラえて!」2時間スペシャル内で発表された。中村はオーディションで選出され、本作が初芝居、初声優。12日間に及ぶアフレコに臨み、「今まで歌を歌うことしかしてこなかったので、アフレコでは最初は監督がおっしゃることを聞いただけでは理解できない部分が多かったのですが、日が経つにつれ、“あ、すずはこういう人なんだ”と、監督の意図が少しずつ見え、だんだん楽しくなっていきました」と振り返っている。
本作は、高知の田舎町で父とふたりで暮らす17歳の女子高生すずが、50億人以上が集う超巨大インターネット仮想世界<U>の中で成長していく物語。母の死をきっかけに歌うことができなくなっていたすずが、<U>に歌姫「ベル」として参加し、その歌声でたちまち世界に注目される存在になっていく。
中村佳穂は1992年生まれ、29歳の京都出身のミュージシャン。20歳から本格的に音楽活動をスタートし、2019年にリリースしたアルバム「AINOU」で注目を集め、FUJI ROCK FESTIVALにも二度の出演経験を持つ。もともと細田監督は、中村の楽曲「そのいのち」に心打たれ、数年前にライブ会場に足を運ぶなど親交があったが、今回の起用はまったく予想していなかったと言い、「演技もできる人だったとは……こんなことになるとは思わなかった」と中村の表現力にほれ込んでいる。一方、中村も高校生の頃に母親と劇場で観た『時をかける少女』が強く心に残っていたとのこと。昨年実施されたオーディションに参加後、監督から正式にオファーが届くと、今作の絵コンテを見て監督の作品への思いに感銘を受け出演を決意することになった。
中村は、歌姫ベルとして劇中歌を数曲披露することも決定。音楽監督の岩崎太整をはじめ作曲家たちと意見を交わし、中村本人が一部楽曲の作詞も担当している。
これまで発表された声優陣は、成田凌、染谷将太、玉城ティナ、幾田りら、森川智之、津田健次郎、小山茉美、宮野真守、森山良子、清水ミチコ、坂本冬美、岩崎良美、中尾幸世、役所広司ら。すずが<U>で出会う竜のキャストは発表されていない。
中村のコメント全文は下記の通り。(編集部・石井百合子)
中村佳穂(なかむら・かほ):内藤鈴/ベル役
実は監督とは、数年前に、奈良でライブをした時にお会いしていて...楽屋に届いた一升瓶を見て「どなたからですか?」と会場の方に聞いたら、「細田監督からです」と言われ、まさかと思っていたら、その奥に監督がいらしたんです。そこからのご縁で何度か演奏をご覧いただいて、本当に気さくに話しかけてくれる素敵な方だなと思っていたのですが、今回オーディションに参加し、まさかこんなご縁に繋がるとは思っていませんでした。今まで歌を歌うことしかしてこなかったので、アフレコでは最初は監督がおっしゃることを聞いただけでは理解できない部分が多かったのですが、日が経つにつれ、“あ、すずはこういう人なんだ”と、監督の意図が少しずつ見え、だんだん楽しくなっていきました。初めての経験で何から練習したら良いのか分からなかったので、ベルの時はヒールの高いパンプスを履き、すずの時にはなるべく低い靴を履いて喋ってみたりと、服装に手伝ってもらいながら、すずとベルを演じ分けました。細田監督の作品の出会いは、高校生の頃、梅田で母と『時をかける少女』を観に行った思い出があります。そんな自分がまさか細田監督の作品に参加することになるなんて、嬉しい気持ちです。