「コントが始まる」も話題!古川琴音の初主演映画『春』が10月より劇場公開
先ごろ最終回を迎えたドラマ「コントが始まる」での演技も記憶に新しい女優・古川琴音の初主演映画『春』が、10月1日よりアップリンク吉祥寺ほかにて公開されることが明らかになった。監督を務める大森歩の新作映画『リッちゃん、健ちゃんの夏。』と同時上映される。
有村架純が演じる里穂子の妹役を務めた「コントが始まる」のほかにも、森七菜ふんするヒロインのルームメイトを演じたドラマ「この恋あたためますか」や、主人公夫婦の一人娘を演じた連続テレビ小説「エール」などで注目を浴びた古川。映画では『泣く子はいねぇが』『花束みたいな恋をした』『街の上で』といった話題作に出演し、今後も濱口竜介監督の『偶然と想像』を控える活躍ぶりを見せている。
そんな古川が『春』で演じるのは、祖父の家に居候をする美大生のアミ。大森監督自身の経験をもとにした物語では、大人になっていくアミとは対照的に、認知症のためにどんどん子ども返りしていく祖父の感受性が重なっていく模様が描かれる。本作は、京都国際映画祭2018でクリエイターズ・ファクトリー(映像部門・最優秀賞)をはじめとする9つの映画祭でグランプリを獲得。古川は第20回の「TAMA NEW WAVE」でベスト女優賞にも輝いた。
古川は公開決定に際して「今から約3年前、この仕事をまさに始めたばかりというタイミングでいただいたお仕事でした。主演のプレッシャーを感じようにも感じられない、ただやってみるしかない! という怖いもの知らずの状態でお芝居していたように思います。3日間の短い撮影期間でしたが、暗中模索していたのでもっと長く撮っていたようにも感じます。そんな中で拠り所となったのが、大森監督のおじいさんへの想いでした。撮影中に度々、監督からおじいさんのお話を聞くことがありました。本人に直接言えなかった気持ちがこの物語にたくさん詰まっていることがわかり、私自身もこの作品を大切に思い、慎重になれたように思います。楽しんでご鑑賞ください」とコメントを寄せている。
祖父役を務めるのは、20年ものあいだ劇団東京ヴォードヴィルショーの中心メンバーとして活躍し、現在も舞台を中心に活動をしている花王おさむ。古川も出演した「エール」では、おでん屋の店主としてリアルな演技が話題を呼んだ。また、アミの同級生でアニメオタクの橋本を大林宣彦監督の『海辺の映画館-キネマの玉手箱』で被曝ピアノを演奏した加藤才紀子が演じる。
現在、CMディレクターとして活躍する大森監督。『春』と同時上映される新作の『リッちゃん、健ちゃんの夏。』には武イリヤや笈川健太などが出演し、長崎の離島・黒島を舞台にした物語が展開する。(編集部・大内啓輔)
花王おさむ(『春』ジィちゃん役)コメント
上映決定、おめでとうございます。
私は、舞台の仕事が多いので、どうしても芝居をしようとしてしまいます。
大森監督には「芝居をしようとしないように」と言われ、どうしたら……と思っていましたが、撮影が3日間だけで、あれよあれよという間に撮ってくれたので、ああしよう、こうしようと考える暇もなく、それが逆によかったのかもしれません。
孫役の古川琴音さんの自然な演技に、教えられることが多かったです。