吉沢亮&山田裕貴、言葉がいらない“別枠な関係性”!
若手俳優のなかでも人気、実力ともに高い評価を得ている吉沢亮と山田裕貴。映画『東京リベンジャーズ』では、原作マンガで非常に人気の高いマイキー&ドラケンコンビを、けれんみなく演じている。「芝居をするうえで言葉はいらない」と強い信頼感で結ばれる吉沢と山田の蜜月関係に迫る。
週刊少年マガジンで連載中の和久井健による人気コミック「東京卍リベンジャーズ」を実写映画化した本作。吉沢は普段は飄々(ひょうひょう)としているものの、圧倒的な喧嘩の強さで関東最凶の組織「東京卍會」の総長を務める佐野万次郎(通称・マイキー)、山田はマイキーの精神的支柱となる「東京卍會」の副総長・龍宮寺堅(通称・ドラケン)にふんする。
吉沢、山田ともにこれまで数々の人気漫画原作の実写化作品に出演してきたが、本作ではこれまで以上にビジュアル面にこだわったという。吉沢は「マイキーの金髪は納得いくまで何度も何度もお願いしてこだわりました」と明かすと、山田も「ドラケンのトレードマークと言えば髪型とこめかみの龍のタトゥー。それがなくてはドラケンですって納得してもらえないというのはわかっていたので、きっちり髪の毛を剃るところからはじめました」と気合十分でのぞんだ。
さらに吉沢は「原作のマイキーは弱そうに見えて、最強というギャップが魅力。ですが、実写になった場合、あまりに見た目を弱々しくしてしまうと、リアルな人間が映ったときの画として成立しないのでは? という不安がありました。なので、体を鍛えて大きくしたり、ちゃんと強く見えるような努力はしました」と実写ならではのこだわりについて語る。
山田も「ビジュアルだけが似ていても、中身がともなってなければ意味がないので」と語ると「マイキーの右腕でありつつ、周りからは卍會の二大巨頭として見られるようなメンタル面での強さみたいなものは、常に意識して現場にのぞんでいました」と役へのアプローチ方法を述べた。
劇中、二人が登場するファーストシーンから、マイキー&ドラケンコンビは圧倒的な存在感を見せ、作品のなかの“かっこいい”を一手に引き受けている。佇まいだけで、最強と言えるようなコンビネーションだ。しかし意外にも、撮影現場をふくめ、事前に芝居について、二人で話し合うことは皆無だったそう。吉沢が「クランクイン前から、芝居のことをあれこれ話さなくても、いいものになるんだろうなという安心感はありました」と山田への絶大な信頼を口にすると、山田はその言葉に大きく頷いた。
二人が抱く信頼や安心感というのは、初めて現場をともにしたドラマ「トモダチゲーム」のときからすでに感じていたものだったという。山田は「撮影の前から、作品を観ていて気になる俳優だったのですが、初日に会って芝居をして『やりやすかった』とマネージャーさんに当時言ってました」と話すと、同じような感覚を吉沢も周囲に告げていたという。
続いて共演した連続テレビ小説「なつぞら」で、その感覚はさらに深まった。山田は「どの現場でも『次こうしよう』という話をしなくても、自然と二人の空気感を作ることができるんです」と撮影を振り返る。
こうした感覚は“特別”なものなのかと問われると、吉沢は「僕はなかなかここまで信頼できる俳優はいない」と即答。山田も「感覚が合う人はいても、やっぱり吉沢亮は『別枠の存在』です。今回の作品も『ケンちん!』って亮くんの声を聞いただけで『この撮影やれる』って思ったぐらいだから」と語る。
プライベートでも交流があり、コロナ禍でもリモート飲みをするなど普通の「友達」としても仲が良いというが、吉沢は「でもやっぱり僕のなかでは、俳優仲間という意識が強い」と役者としての山田に惹かれる部分が多いようだ。山田も「僕もそれは感じているので、飲んだらプライベートな話もしますが、あまり友達、友達という感じよりも、信頼できる役者というスタンスでいます」と関係性を明かした。
劇中、痺れるようなかっこいい男たちを演じている吉沢と山田。二人にとって“憧れる男”とはどんな存在なのだろうか。吉沢は人気漫画「ONE PIECE」の主要キャラクターであるロロノア・ゾロをあげ「生活リズムのなかで、修業しているか、飯を食っているか、酒を飲んでいるか、寝ているかとまったく無駄がない。どんなときでも中立の立場をとり冷静沈着。それでいて方向音痴だったりと、抜けているところがある。世界一かっこいい男だと思っています」と語ると、山田は驚いた表情を浮かべ「俺もいま『ONE PIECE』に例えて話そうと思ってた!。俺はルフィなんですよね」と笑う。
打ち合わせも会話もなく、同じ発想で質問に答えた吉沢と山田。「やっぱりマイキーとドラケンだな」と山田は笑い、吉沢も微笑んでいた。最高のキャストを迎えたマイキー&ドラケンコンビは、スクリーンのなかでも素晴らしい輝きを放っている。(取材・文:磯部正和)
映画『東京リベンジャーズ』は全国公開中