フランソワ・オゾン『Summer of 85』少年たちがきらめくダンスクリップ映像が公開
フランソワ・オゾン監督の最新作となる映画『Summer of 85』(8月20日公開)から、少年たちのきらめく一夜のデートシーンを捉えたダンスクリップ映像が公開された。
フランソワ・オゾン『Summer of 85』ダンスクリップ映像
本作は、イギリスの作家エイダン・チェンバーズの青春小説「おれの墓で踊れ」を原作に、1985年の夏、北フランスの海辺の町で運命的に出会った、2人の少年の6週間の青春を描くラブストーリー。オーディションで選ばれた、フェリックス・ルフェーヴルとバンジャマン・ヴォワザンが主人公の少年たちを演じる。
公開されたダンスクリップ映像は、アレックス(フェリックス)とダヴィド(バンジャマン)がクラブで激しく踊りあかし、2人だけのかけがえのない時間を堪能するシーン。気の向くままにダンスを楽しむダヴィドと、無邪気に飛び跳ねるキュートなアレックスの姿が映し出された後、ダヴィドがアレックスの耳にそっとヘッドフォンを付けると、場内の喧騒が一瞬で聞こえなくなり、往年のロックスター、ロッド・スチュワートによる名曲「Sailing」が優しく響きだす。再び気ままに踊りだすダヴィドに対し、アレックスはダヴィドの存在を噛みしめるように、目を閉じ聴き入る。
オゾン監督は「このダンスシーンこそ、映画のコアだ」と語っており、「2人は同じ音楽を聴いているのに、一緒に踊るわけでもない。ダヴィドは身体をくねらせながらへらへら笑っていて、かたやアレックスは天井のミラーボールをぼんやり見ている。撮影しているときはそこまで考えられていなかったが、あとでこのシーンを思い返してみると、早い段階で2人の離別を予告していたんだと、改めて解釈できた。ちなみに、『Sailing』を提案したのは(アレックス役の)フェリックスなんだ。リズムと歌詞がしっくりきて、『これだ』と思ったね」と明かしている。
劇中には、「Sailing」のほかにも1980年代を代表するTHE CUREの名曲「In Between Days」などが使用されており、数々の名曲も美しき少年たちが織りなすひと夏の恋を彩っている。(高橋理久)