菅田将暉、キャリア最長で携わった『キネマの神様』に感謝と充実感
俳優の菅田将暉が5日、新宿ピカデリーで行われた映画『キネマの神様』の公開記念舞台あいさつに登壇し、主演として携わった本作で感じたという感謝の思いや充実感を語った。この日は、共演者の野田洋次郎、北川景子、宮本信子、山田洋次監督も来場した。
菅田将暉、野田洋次郎、北川景子、宮本信子、山田洋次監督が登壇!舞台あいさつの様子【写真】
本作は、『男はつらいよ』シリーズなどの山田監督が原田マハの小説を映画化した松竹映画100周年記念作品。映画の神様を信じ続けた男ゴウと、その家族に起こる奇跡の物語を描く。当初、菅田と共にダブル主演を務める予定だった志村けんさんの逝去や、緊急事態宣言による撮影の長期中断、二度の公開延期を経て、ついに6日に公開を迎える。
沢田研二と共にゴウ役を二人一役で務めた菅田は、観客から盛大な拍手を送られると「お客さんがいる舞台あいさつは今では貴重な時間なので感慨深いです」と喜びの表情。また、2020年2月に撮影前の本読みから始まった映画づくりを思い返して「映画は公開すると、お客さんのものみたいな感覚があるので、公開するまでどれだけ映画に携われるかが楽しみ。そういう意味では、今回は今までで最長の長さ一緒にいられたと思うし、十分に愛でる時間をいただけたと解釈をすれば、すごく感謝だなと思います」と胸中を明かした。
続けて「未来を生きるうえで、昔のことを知ることが大事」と考えて撮影現場に立っていたことを打ち明け、それによって「今の自分の仕事である映画というものが格好よくて、自分のしんどかったり、大変だったりする日々に誇りを持てるようなりました」と力を込めた。
その後、撮影中のエピソードトークにも花を咲かせる一同。この日は登壇が叶わなかった恋人役の永野芽郁の印象を問われると、菅田は「本当にキュート。可愛いのは知っていたけど、山田さんもメロメロになっていたので、山田洋次までもメロメロにするんだなと恐れ多かったです」と感心。山田監督も「とっても可愛いですよ。とても重要なことですよね」と話して会場の笑いを誘った。
そんななか、沢田からのコメントが読み上げられる一幕も。「志村さんのお気持ちを抱きしめ、やり遂げる覚悟です。あの日から新型コロナとともに歩んだ72歳、せいいっぱいの姿です。詮無いですが、志村さんのゴウが観たかった。私はこの作品を封切館で初めて観ようと思っています」と言葉を寄せた。
山田監督は沢田について「この仕事を引き受けるについて、やはり相当な覚悟だったんだろうなと改めて感じました」と思いやると、菅田も沢田の撮影現場での様子を振り返って「ちょうど東村山音頭を歌う直前だったか、すごく集中されていて、誰も近づけない空気がありました。その姿を一目見ただけで、沢田さんの作品に臨む思いがあふれ出ていたので、(完成を)楽しみにしていました」とコメント。そして「同じ人物を演じられたことは、すごく光栄です」と幸せをかみしめた。(錦怜那)
映画『キネマの神様』は8月6日より全国公開