ジョニー・デップに生涯功労賞!サンセバスチャン映画祭
俳優のジョニー・デップが、スペイン・バスク地方で現地時間9月17日~25日に行われる第69回サンセバスチャン国際映画祭で、生涯功労賞にあたるドノスティア賞を受賞することが決まった。同映画祭がこの程発表したもので、映画祭期間中の9月22日に受賞セレモニーが行われる。
ジョニー・デップ主演『MINAMATA(原題)』海外版予告編
『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズをはじめ俳優としての実績は申し分ないジョニーだが、意外にも賞には縁遠い。アカデミー賞主演男優賞に3度ノミネートされたが受賞はまだ。ゴールデングローブ賞は10回ノミネートされ、受賞までたどり着いたのは『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪』(2007)の主演男優賞のみ。
だがティム・バートン監督、テリー・ギリアム監督、ジム・ジャームッシュ監督といった鬼才たちの生み出したイマジネーションあふれる世界を、より魅力的に具現化させて、観客を作品世界へと誘うことができるのはジョニーの存在あってこそ。それだけでなく今回の賞は長年の映画界への功績を讃えるもので、とりわけプロデューサーとしての仕事ぶりを高く評価している。
中でも、映画『ヒューゴの不思議な発明』(2011)でマーティン・スコセッシ監督を支え、いまだ日本ではタブー視されている公害問題を自身が製作・主演も務めることで成立させた『MINAMATA-ミナマタ-』(9月23日公開)。
そして英国のロックバンド「ザ・ポーグス」のボーカル、シェイン・マガウアンのドキュメンタリー映画『クロック・オブ・ゴールド:ア・フュー・ラウンズ・ウィズ・シェイン・マガウアン(原題)/ Crock of Gold: A Few Rounds with Shane MacGowan』(ジュリアン・テンプル監督、2020)は、昨年の同映画祭コンペティション部門に選出され、特別審査員賞をもたらしている。
美食の街としても知られるサンセバスチャンのバスク語表記名がついた同賞は1986年に創設。グレゴリー・ペックに始まり、アンソニー・ホプキンス、ジョン・マルコヴィッチ、カトリーヌ・ドヌーヴ、メリル・ストリープら世界を代表する名優たちが栄誉を受けてきた。2018年には是枝裕和監督がアジア人として初めて受賞している。(取材・文:中山治美)
第69回サンセバスチャン国際映画祭は9月17日~25日に開催