声優・細谷佳正&内田真礼、マーベル『シャン・チー』吹き替え裏話
声優の細谷佳正と内田真礼が26日、生配信された映画『シャン・チー/テン・リングスの伝説』(9月3日公開)の日本版声優トークイベントに出席し、吹き替え時の裏話や苦労を明かした。イベントには声優のニケライ ファラナーゼも参加し、特別ゲストとして東京2020オリンピック柔道金メダリストのウルフ・アロン選手も登場。スケートボード金メダルの堀米雄斗選手、西矢椛選手からはメッセージが寄せられた。
『シャン・チー/テン・リングスの伝説』日本語吹替版予告【動画】
本作は『アベンジャーズ』シリーズなどを手掛けるマーベル・スタジオによるヒーローアクション。犯罪組織を率いる父親シュー・ウェンウー(トニー・レオン)の後継者として育てられるも、運命に逆らって平凡に暮らすシャン・チー(シム・リウ)が、伝説の腕輪"テン・リングス"を操って世界を脅かす父親を止めるため、封印していた力を解き放つ。
日本語吹き替え版で主人公シャン・チーの声を務める細谷は「とても足場の悪い場所で、ケイティ(シャン・チーの親友)のピンチを救うために全力ダッシュをするんですけど、そこで敵たちを倒しながら進んでいくところは非常に迫力のある、見応え十分なシーンでしたね」とアクションの見どころを紹介。同時にアフレコを振り返り「原音には格闘もあるので、被ってくるんですよね。シャン・チーの声と敵役の“えいっ”て声が。走って殴って名前を呼んでってところは秒単位でコロコロ変わっていかなければならないので、聞き分けながらあてていくっていうのが大変でした」と、汗だくになりながら声をあてた裏話も明かした。
シャン・チーの妹シャーリン役の内田も「(アクションシーンは)息遣いが細かく入っているんですよね。しかも肉弾戦なので、すごく動きが速いんですよ。今自分が優位に立っていたと思ったら、下でやられてたとか。そういうときに、息がついていかなくてハァハァしちゃって。叫びたいけど、さっきも叫んだから声が飛んだり、思ってたところが出なかったりしたこともありました」と苦労を語った。
作品にちなみ、自分の「ヒーロー」を尋ねられると、内田は「うけとめてくれる人」と答え、「批評してくれたり、観て感じてくれることは大切な役割だと思います。わたしたち芝居をする方がヒーローになりやすいけど、実はこっちが大事」と、作品において観客やファンがいかに重要であるかを話した。
細谷は「常識を軽やかに壊していく人」をヒーローと考えているそうで、内田と同じく何かを発信する立場として、受け手のことを考える必要性に触れながらも「今認められなくても何か月後何年後に認められているかもしれないので、今までの常識を壊して新しいことをしていく人は魅力的だなって僕は思いますね」と声を弾ませた。
最後に細谷は「オーディションからアフレコまで、いろんな思いがありましたが、声優が発表されたときに『盤石のキャストだ』『うれしい』と好意的な意見をいただけて光栄で嬉しかったです」と喜び、「その期待に応えらえる面白い映画になっています。ぜひ吹き替え版と字幕版の両方を観て、違いなども楽しんでいただけたら嬉しく思います」と呼びかけた。(錦怜那)